2018年4月23日(月)
マルクス生誕200周年
志位委員長 講演で強調
理論家・革命家の両面に光が
新しい市民運動の発展と響きあう
22日に開かれた「日本共産党と大学人のつどい」(主催=全国学者・研究者党後援会)の記念講演で、志位和夫委員長は、「マルクス生誕200周年を迎えた今年、世界でマルクスへの注目が高まっている」とのべ、「世界や日本でわき起こっている新しい市民運動に参加しつつある広範な人々にもマルクスが響きあい、共感をもって受け入れられる条件が広がっているのではないか」と強調しました。
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志位氏が、ヨーロッパでマルクスの人気が高まっているとして紹介したのは、独紙「南ドイツ新聞」が2018年元日号でおこなったマルクス大特集です。「生誕200周年を前に、かつてほとんどなかったほどカール・マルクスの人気が高まっている」「『共産党宣言』にはきわめて現代的な考え方が見られる」などと注目しています。
さらに志位氏は、英紙「フィナンシャル・タイムズ」(18年3月10、11日号)の大特集を紹介。この特集では、筆者が資本主義の熱心な支持者でありながら、『共産党宣言』は今日的意義をもっていると主張。「現代の富の配分を目の当たりにすれば、マルクスとエンゲルスは愕然(がくぜん)とするに違いない」、「世界人口の上位1%が残り99%の人々と同等の資産を所有する異常な現実に直面している。持てる者が持たざる者に対してこれほど優位に立ったことは、史上かつてなかったことである」「万国のアクティビスト(積極行動主義)よ、団結せよ!」と呼びかけています。
志位氏は、今日のマルクスへの注目について、▽資本主義の矛盾を明らかにした理論家▽社会を変革する革命家――という両面でマルクスに光があたっていると強調。「マルクスの生涯をたどるとき、その時、その時の人民の革命運動に飛び込み、情熱的に連帯し、その中で自らの理論を鍛え上げ、豊かにしていった生涯だったといえると思います」と述べ、1848年のヨーロッパ革命・ドイツ革命で民主共和制と国民主権の旗を掲げ、50年代は亡命先のイギリスでチャーチスト運動への連帯に取り組み、60年代はアメリカの南北戦争での奴隷制反対のたたかいに熱く連帯し、70年代にパリ・コミューンへの連帯と教訓を引き出す取り組みに情熱を傾けたことなどを挙げました。
志位氏は、「今、世界でも、日本でも、現状変革をめざす新しい市民の運動がわき起こっています。マルクスの革命家としての生涯は、この運動に参加しつつある広範な人々にも響き合い、共感をもって受け入れられるのではないでしょか」と語りかけ、日本共産党としてもこの機会にマルクスの魅力を広く国民のなかに明らかにする活動にとりくむ決意をのべました。