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2018年4月21日(土)

加計側「柳瀬氏と面会」

文科省、内閣府からのメール公表

愛媛県文書裏付け

 学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設をめぐり、愛媛県職員や学園幹部らが2015年4月2日に官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面会する予定を記した内閣府からのメールが見つかったと20日、文部科学省が発表しました。柳瀬氏が獣医学部新設を「首相案件」と発言したことを記録した愛媛県作成の文書を裏付ける内容です。安倍晋三首相の名代である柳瀬氏との面会が政府内でも記録されていたことで、「首相案件」だった疑いがいっそう強まりました。


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(写真)文部科学省が公表した加計学園関連のメール

 メールは15年4月2日付の2通。いずれも内閣府から文科省に送られました。同日午後0時48分送信のメールには、「本日15時から柳瀬総理秘書官とも面会するようです」とありました。愛媛県の文書でも同日午後3時に官邸で柳瀬氏にあったと書かれており、メールの内容と一致しています。

 柳瀬氏は面会の「記憶がない」と繰り返しています。他方、愛媛県の中村時広知事は20日、記者団に「正直に記憶をたどってお話しされればと思う」と述べました。

 内閣府によると、メールを作成した事務官は「面会の場でそのような話題が出て、それをそのまま自分がメモしたのだろう」と答えています。安倍首相は愛媛県文書について国会で「コメントしない」としてきましたが、政府の内部文書で面会の事実を突きつけられた形です。

 このメールには、内閣府の藤原豊・地方創生推進室次長(当時)の発言内容も記されていました。藤原氏は、▽実現は首長のやる気次第▽国家戦略特区と構造改革特区の共通提案にしてはどうか▽反対派の同意を得るため構想内容を検討する―などと助言。これらも愛媛県文書とほぼ同じです。

 午前9時52分送信のメールでは、「加計学園が藤原次長に面会に来るとのことです」とかかれています。学園が面会を主導したかのような記述で、当初から“加計ありき”で進んだことがうかがわれます。

 また文科省の調査では、「獣医の関係で官邸に誰かがいったという話を聞いたことがある」と答えた職員がおり、官邸訪問の内容が関係省庁に伝えられた可能性も強まりました。


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