2018年4月20日(金)
市場機能 一切触れず
築地再開発へ提言案
検討会議協議
東京都築地市場(中央区)を豊洲新市場に移転させ、その跡地の再開発について提言する都の外部委員の検討会議は19日、第6回会合を都庁で開き、提言の骨子案を協議しました。
骨子案では、小池百合子知事が昨年6月の「基本方針」で表明した「築地は守る」「仲卸の目利きを活(い)かしたセリ・市場内取引を確保・発展」という内容は、一切盛り込まれていません。
骨子案は築地再開発について、「個別具体の内容を示すのではなく、『大きな視点』として包括的、総合的な観点から、基本的な方向性や考え方を提示する」と記載。再開発の目標として(1)将来の都民にとっての価値を最大にする(2)世界一の環境都市東京の実現に寄与する(3)東京の魅力を内外に鮮明に発信できる持続可能な拠点とする―とした上で、市場移転後の敷地を、四つの区域に分けて再開発のイメージを示しましたが、卸売市場としての機能には全くふれませんでした。
都は10月11日に築地市場を豊洲に移転後、市場施設を解体する方針ですが、築地市場水産仲卸業者でつくる「築地女将(おかみ)さん会」のアンケートでも業者の8割が10月移転に「納得していない」と回答。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産諮問機関イコモスの国内委員会は築地市場施設を「日本の20世紀遺産20選」に選定しています。