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2018年4月19日(木)

次官辞任で疑惑にふた 許されない

人権無視の麻生財務相も責任重大

 週刊誌で女性記者へのセクハラ疑惑が報じられていた財務省の福田淳一事務次官が18日、辞意を表明しました。しかし、「事実と異なる」と週刊誌報道は否定したまま、「職責を果たせない」ことを理由にしただけでした。福田氏をかばったうえ、セクハラ疑惑対応で批判を招いた麻生太郎財務相の責任はまぬかれません。

 この問題をめぐって、財務省は16日、福田事務次官がセクハラ疑惑を否定した「聴取結果」と、被害者が財務省の顧問弁護士に名乗り出るよう求めた文書を発表しました。17日には麻生財務相が「本人が出てこなければどうしようもない」と被害記者が名乗り出なければセクハラは認定できないとの暴言まで吐きました。

 こうした財務省の対応は、セクハラ被害で最も重視するべき被害者の人権、二次被害の保護から逸脱していると強い批判を招いてきました。

 被害者が名乗り出なければセクハラを認めないとする姿勢は、人権無視そのものだからです。

 福田氏は、財務省文書で流したセクハラ全面否定のコメントを撤回していません。さらに自らの発言を「悪ふざけ」「言葉遊び」などとする、度し難いセクハラ発言もそのままです。これを放置したままでは、被害者に深刻な二次被害を与えることになります。

 「関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重する」としたセクシュアルハラスメント防止の「人事院規則」の根幹にかかわる問題です。

 この財務省名の文書を出し、「次官に人権はないというのか」と福田氏をかばった麻生財務相の責任は重大です。

 しかも見逃せないのは、財務省の文書を16日の公表前に首相秘書官に伝えたことを財務省が17日の野党合同ヒアリングで認めたことです。セクハラ被害者の人権を無視し、圧力をかけて抑え込もうとするのは、安倍首相・官邸ぐるみの隠ぺいと言われても仕方ありませんでした。

 安保法制で立憲主義を踏み破り、森友文書改ざん問題で民主主義を踏みにじって恥じない安倍政権の人権無視の姿勢がここでもあらわになっています。福田氏の辞任でこうした人権無視にふたをすることは許されません。(内藤真己子)


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