2018年4月16日(月)
なんだっけ
障害理由の強制不妊手術って?
Q 障害などを理由に過去に実施された強制不妊手術が社会問題になっています。どういうものですか。
A 戦後間もなくつくられた旧優生保護法(1948~96年)下で、知的障害や精神疾患などを理由に、都道府県審査会による審査を経て本人の同意なく行われた手術のことです。厚生労働省によると約1万6500件に上ります。
同法はその目的の一つに「優生の見地から不良な子孫の出生を防止する」と掲げました。人間に優劣をつける優生思想のもと、こうした人権侵害が長年つづいたことは重大な問題です。
Q 法の廃止から22年。なぜいま問題になっているの?
A 人権侵害を受けた被害者の実態調査や謝罪と補償を求める声に、厚生労働省は法の廃止後も「当時は適法だった」と繰り返し、謝罪もしていません。
そのため、ことし1月末、宮城県の女性が全国で初めて、国を相手に人権侵害への謝罪と補償を求めて、仙台地裁に国家賠償請求訴訟を起こしました。自治体や障害者団体などが実態調査などのとりくみを始めており、泣き寝入りを強いられていた被害者や家族などが声を上げ始めています。
Q 国の対応は?
A 事態が大きく展開するなか、厚労省はようやく実態調査にとりくむと表明しました。一方で、3月末の第1回口頭弁論で国は争う姿勢を示しています。
超党派の議員連盟も発足しました。多くの被害者が高齢化し亡くなるなか、一日も早く被害救済への道すじをつくることが必要です。
(2018・4・16)