しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年4月13日(金)

きょうの潮流

 経済産業省の有識者会議が、2050年を見据えたエネルギー戦略について提言案をまとめました。脱炭素社会のための「主要な選択肢」の一つとして、長期的に原発が必要だとしました▼委員は、原発メーカー日立製作所の会長などがメンバー。先日の最後の会議で、日立の会長は「原子力産業は始めたら、100年はやめられない。経営者としてなんとかやれるようにする義務がある」と▼原発が必要だという別の委員は「原子力問題から国は逃げてはいけない」と述べ、案にある“可能な限り原発の依存度を低減する”の文言に「反対する」と強い口調で主張。これでは「ひどい世の中になりますよ」とまで言いつのっていました▼国のエネルギー政策に明言された“依存度低減”も目の敵にしました。国民世論とはずいぶんかけ離れた“世界”を眺めているようでした▼原子力推進の立場で広報する団体の世論調査結果も、今後の原子力利用について「しばらく利用するが、徐々に廃止」と「即時、廃止」と答えた人は合わせて6割以上(日本原子力文化財団)。「増加」と「震災前を維持」の意見は1割未満でした▼提言案は、情勢について「不確実性」を強調しています。しかし、これこそ原発事業に当てはまることです。大型炉でもコストが見合わず廃炉を決めているし、福島原発事故の対応費用は膨らみ続け、地震・火山国で過酷事故の危険性をはらみ、「核のゴミ」の処分も見通せません。将来にわたって選択する理由はありません。


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