しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

2018年4月8日(日)

生活保護 障害者で増加

今年1月 高齢者も前年上回る

 今年1月に生活保護を利用した世帯は約164万世帯で、前年同月と比べると高齢者と障害者の世帯で増加したことが、厚生労働省が4日に発表した「被保護者調査」で分かりました。

 それによると、一時的な保護停止を除く生活保護世帯は、1月時点で164万2世帯となり、前年同月と比べて533世帯増えました。

 世帯の類型別にみると、65歳以上の「高齢者」が、前年同月より2万5612世帯増えて86万4472世帯に達し、「障害者」も3471世帯増えて19万7385世帯となりました。それ以外の「母子」と「傷病者」、失業者を含む「その他」の世帯は、いずれも前年同月より減少しており、「高齢者」と「障害者」の増加が、生活保護世帯を押し上げたかたちです。

 最近の生活保護世帯の推移をみると、「高齢者」とともに「障害者」の増加がめだちます。13年1月~18年1月の5年間で、「障害者」は1万6716世帯増えました。(図)

 障害者団体「きょうされん」の生活実態調査(16年5月発表)では、回答した約1万4700人のうち、8割の人が相対的貧困とされる年収122万円の「貧困線」以下の収入状況でした。生活保護を利用している人の割合は11・4%で、国民一般の平均(1・7%)を大幅に上回りました。

 障害者世帯が厳しい生活を強いられている一番の原因は、主な収入源である障害年金の支給水準の低さです。

 厚生労働省の障害年金受給者実態調査(14年)によると、回答した約1万6000人の平均年金額は月7万7829円で、年金を含む世帯の年収は、中央値が183万円で、国民一般(国民生活基礎調査)の415万円を大きく下回っています。

 障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会の白沢仁事務局長は「障害年金だけでは暮らせず、生活保護を利用している人は多い。生活保護を利用しなくても暮らせるように、すべての障害者が健康で文化的な最低限度の生活ができる水準に、年金支給額を抜本的に引き上げることが必要です」と話しています。

図

pageup