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2018年4月5日(木)

私大新入生 借入額が過去最高

家計負担「重い」9割超

東京私大教連

 2017年度の私立大学新入生の家計負担調査結果が4日、発表されました。入学費にあてるための借入額の平均が過去最高に上るなど、高い学費が重い負担となって家計にのしかかっている実態が浮き彫りになりました。

 私大の教職員組合でつくる東京私大教連が調査。16大学・短大の新入生の保護者を対象に、4554件の回答を得ました。

 調査結果によれば、入学の年にかかる費用(自宅外通学者)は約297万円。世帯の平均年収の約3分の1を入学費用が占めていることが明らかになりました。

 入学費用の借入額(全体平均)は前年と比べ15万円増と大幅に増え、過去最高の約198万円。9割超の家庭が、受験から入学までの費用について家計への負担が「重い」と回答しました。

 発表会見で、東京私大教連の大野裕之東洋大学教授は「借入金が増えたということは、卒業後に返済しなければならない額、背負っていく重荷が増えたということ。職業選択や、就職後の働き方にも大きな影響が出てくる」と指摘。野中郁江明治大学教授は「私学への進学自体を諦める家庭も存在するだろう」と危ぐしました。

 さらに16年連続で減少していた仕送り額の平均は、月約8万6100円と過去2番目に低い水準。大野教授は、アベノミクス効果が喧伝(けんでん)される中でも「実質賃金は上がっておらず、前年と変わらない低い結果には驚かない」と述べました。

 また「奨学金を希望したが申請しなかった理由」として、「返済義務があるから」が27・7%と増加傾向。私大授業料への国の直接助成制度については89・0%が「必要あり」と答えており、給付型奨学金の抜本的拡充が求められます。

図

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