2018年4月4日(水)
軍事研究反対声明 多くの大学が対応
学術会議アンケート
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軍事研究を否定する声明を昨年3月に出した日本学術会議は、3日に開いた総会で、同声明に関する各大学へのアンケート結果を公表し、多くの大学が声明を受け何らかの対応をとっているとしました。
声明は、研究の適切性の審査制度を設けるよう大学などに求めています。アンケートは2月から3月まで、国公私立大学などの183機関に送り、135機関が回答(回収率73・8%)しました。声明を受けて各大学や研究機関は、「執行部で審議や報告をした」「理事会や評議会で行った」「検討組織を設置した」などの対応をしており、「とくに対応していない」は29・6%でした。対応していないと回答した機関は、国公立、私立大学がそれぞれ2割強なのに対し、その他の研究機関では63・2%と差が出ました。
アンケートを実施した科学者委員会の委員長で学術会議副会長の三成美保氏は「意思決定機関で一定の対応がはかられ、声明はインパクトを与えた」と報告しました。
防衛省の資金提供制度への応募についての方針や審査手続き、ガイドラインは、「ある」が34・1%。そのうち半数は、声明をきっかけに策定したと回答しています。「検討中」は22・2%。「方針はなく検討もしていない」が30・4%で、うち7割は「応募の可能性がないため」と回答しました。防衛省制度への応募を「認めたことがない」が75・6%、「ある」は22・2%でした。
同日の会見で山極寿一学術会議会長は、審査制度づくりは時間がかかるとして、各研究機関に声明の議論を続けてほしいと述べました。
アンケート結果の詳細な分析は、9月22日開催のフォーラムで公表するとしています。