しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

2018年3月28日(水)

主張

佐川氏証人喚問

真相解明へ昭恵氏らの喚問を

 大阪の学校法人、森友学園への国有地格安払い下げが発覚した当時の財務省理財局長で、決裁文書など公文書改ざんでも当事者とされる佐川宣寿前国税庁長官の国会での証人喚問を聞きました。国会で「森友」関係の資料は廃棄したなどと答弁した佐川氏が、改ざんにも直接かかわった疑いは濃厚です。佐川氏は「刑事訴追の恐れがある」ことなどを理由に、肝心な部分では説明を拒みました。佐川氏を引き続き追及するとともに、開設予定の小学校の「名誉校長」だった、安倍晋三首相の妻の昭恵氏や関係者も喚問し、疑惑を解明することが求められます。

だれが何のために改ざん

 「森友」問題での証人喚問は、昨年2月に問題が発覚した直後の、籠池泰典「森友」前理事長以来です。しかしその後は与党が、昭恵氏や関係者の喚問を拒否し、佐川氏も昨年夏、国税庁長官に栄転した後は記者会見も国会答弁もせず、辞任しました。首相は発覚直後、「私や妻が関与していれば首相も国会議員もやめる」と答弁しました。国会で答弁した佐川氏がそれを意識して「森友」との交渉資料などを隠し、決裁文書を改ざんしたとみられて当然です。

 問われているのは、国民共有の「知的資源」である公文書を改ざんまでして国会に提出し、国会と国民を愚ろうしたのは、「だれが」「何のために」に行ったのかということと、もともと8億円を超す異常な値引きはなぜ行われたのかということです。

 佐川氏は証人喚問で、公文書改ざんについては「刑事訴追の恐れ」を理由に証言を拒否しながら、首相や麻生太郎財務相からの指示はないと言い切りました。しかし太田充・現理財局長は、財務省が安倍首相らの答弁を気にしていたなどと答え、同省は改ざんへの官邸の関与も否定しません。佐川氏は財務省内の調査は知らないと逃げましたが、偽証や証言拒否は議院証言法で罪に問われる犯罪です。

 佐川氏が、決裁文書で「特例」などと書かれている「森友」への国有地貸し付けや売却について、首相や昭恵氏の関与はなかったのかと追及されて、「当時は理財局にいなかった。発覚後勉強した」などとごまかしたのは重大です。改ざん前の文書などに照らせば、昭恵氏の動向が伝えられるたびに貸し付けや売却の流れが進んでいます。昭恵氏が籠池氏らと建設予定地を視察し、「いい土地だから、前に進めてください」と発言したことが伝えられた1カ月後には、近畿財務局が協力すると連絡しています。昭恵氏が「名誉校長」に就任し、昭恵氏付きの政府職員が財務省に問い合わせた後、値引きや売却についての動きが一気に進展します。首相は昭恵氏の関与を否定しますが、それなら本人の口で語ってもらうしかありません。

 国会が国政調査権を活用し、昭恵氏らの証人喚問など、真相を徹底究明することが必要です。

安倍内閣は退陣しかない

 昭恵氏らの証人喚問を拒み、国民の共有財産である国有地売却の真相を隠し、公文書まで改ざんして国会などに提出した安倍政権の責任は重大です。立法府を愚ろうした内閣は総辞職すべきです。

 いよいよ疑惑が深まった「森友」への国有地格安払い下げや公文書改ざんを解明するとともに、安倍内閣の責任明確化が不可欠です。


pageup