しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年3月23日(金)

憲法違反の教育介入

志位氏、「前川授業」への圧力批判

 日本共産党の志位和夫委員長は22日の記者会見で、前川喜平前文部科学次官が名古屋市内の公立中学校で行った授業に対し、文科省が同市教育委員会に送りつけた執拗(しつよう)な質問メールに自民党文科部会長と同部会長代理の2人の国会議員が「添削」などで関与していた問題について問われ、憲法と教育基本法に反する「むき出しの形での政治の介入」だと厳しく批判しました。

 志位氏は、第1次安倍政権が教基法を改悪したさいに「教育は国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきもの」との一文を削除した影響が今回の事態に表れているとしつつ、現行の同法も、教育は「不当な支配に服することなく」行われるべきだと定めていると指摘。「本来、政治の圧力に対する防波堤になって教育現場を守るべき文科省が、政権党である自民党の圧力に迎合する形で、調査の名で『不当な支配』を行ったことになり、自民党と文科省の責任はきわめて重い」と強調しました。

 また、文科省側が、質問メールによる調査は「法令に適合している」と強弁していることに関連して、憲法13条、26条に照らして、「教育内容への国家的介入は抑制的でなければならない」とした学力テスト問題についての最高裁判決(1976年)に言及。「今回の事態は、『抑制』のかけらもなく、むきだしの介入を行っている。最高裁判決にてらしても、今回の行為は憲法違反の行為だ」ときびしく批判しました。

 その上で、南スーダン国連平和維持活動の陸上自衛隊「日報」隠蔽(いんぺい)問題では防衛省が、裁量労働制のデータねつ造では厚生労働省が、「森友」公文書改ざん問題では財務省が、そして前川氏の授業への今回の「不当な支配」では文科省が関与していたことを指摘。「安倍強権政治の『毒』が、政府機構と政権党の全身に回っている。これはもう、(安倍内閣に)お引き取り願うしかない」と表明しました。


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