しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年3月21日(水)

きょうの潮流

 保守政党の総裁選で巨額の買収費がばらまかれる。それを穴埋めするために巨大ダム建設の入札が談合され、多額の賄賂が政権の中枢へと流れていく▼実際の事件をモデルに描いた山本薩夫監督の映画「金環蝕(きんかんしょく)」です。「まわりは金色の栄光に輝いて見えるが、中の方は真っ黒に腐っている」。タイトルに込めた政界汚職の構図の中で大きな意味をもたせたのが、首相の関与を裏付ける“総理夫人の名刺”でした▼いま森友問題をめぐり安倍首相の妻、昭恵氏のかかわりが改めて焦点になっています。改ざん前の財務省の決裁文書にも8億円を値引きした国有地取引の重要な局面で登場。国会の集中審議でそれを問われると、理財局長は「総理夫人だから」と▼自分も妻も関与していないと、しらを切り続ける首相。しかし、森友学園が国有地につくろうとした小学校の名誉校長まで務めた影響力は絶大でした。学園の籠池元理事長も「神風が吹いた」「何らかの見えない力が動いた」と証言しています▼それにしても安倍政権のもとでの役所の体たらくぶりは深刻です。公文書改ざんの財務省をはじめ、日報隠しの防衛省、裁量労働制のデータをねつ造した厚労省、事務次官だった前川氏の授業に異常な圧力をかける文科省―▼志位委員長は「安倍強権政治の“毒”が政府全体に回っている」。「金環蝕」でも登場人物が周りの腐敗堕落を嘆く場面があります。「腐ったリンゴは、となりのリンゴも腐らせる」。国の危機を招いている元凶を絶たねば。


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