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日本共産党

2018年3月12日(月)

災害公営住宅 家賃軽減 独自策へ

宮城8市町 住民と共産党の運動実る

 東日本大震災の被災者が入居する災害(復興)公営住宅への国の家賃減免措置が段階的に縮小されることを受け、宮城県では自治会長らが呼びかけ人となった減免継続を求める署名も取り組まれ、8市町が独自の軽減策を行う方向です。(高橋拓丸)


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(写真)石巻市蛇田地区の災害公営住宅

 宮城県で最大となる4500戸の災害公営住宅を持つ石巻市で、昨年ひざの手術を受けた女性(64)は「一生住むと思っていた家は流され、土地は住宅を建ててはいけない場所になりました。そこに私が体を悪くしてしまい、家賃値上がりは将来の大きな不安でした」と話します。家計の助けにするため、退職していた夫も新たに清掃の仕事を始めたといいます。

 国の家賃減免措置は、「家賃低減事業」対象者について6年目から段階的に家賃を上げるというもの。また「収入超過世帯」については、4年目から家賃が上がります。

 石巻市は2月、入居10年目まで家賃を据え置き、11~20年目に減額幅を縮小し、「収入超過世帯」(入居者全体の約8%)についても、据え置き期間を8年に延長する負担低減措置を決めました。

 日本共産党石巻市議団が被災者や「住まいと復興を考える会連絡協議会」などとともに署名運動、議会質問を行ってきたことが実を結びました。

 女性は、「今まで夫と『これなら仮設住宅にいたほうがまだ安心だったね』なんて冗談をいって苦笑いしていました。家賃がこれ以上大きく上がらないことは、肩が軽くなりほっとします」と話します。

医療費減免が切実

「国が支えるべきだ」

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災者の暮らしの心配ごとの一つが医療・介護の負担です。

 「今お金の面で災害公営住宅の入居者が困っているのは医療費の問題です」と話すのは、宮城県石巻市の男性(69)。同市南境地区の仮設団地で、NPO団体などと協力して民謡鑑賞や芋煮会などを開いています。「医者にもなかなかかかれない世帯もある。家賃が払えなくなって滞納し始めている世帯もいくつかあると聞きます」といいます。

 国は震災直後に、国庫負担で被災者の医療費の窓口負担を免除する制度を実施しましたが、1年後に打ち切り。宮城県では現在、市町村が負担し継続する形に後退しており、2018年度も継続することを決定しているのは宮城県では2自治体(3月11日現在)のみです。

 石巻市では17年度まで約6000人の被災者を対象に医療費減免を継続していましたが、18年度は継続されません。

 同市蛇田地区の災害公営住宅に入居する年金暮らしの男性(71)は「厚生年金は積み立ててきたお金なのに所得扱いにされて家賃が高くなります。首や肩が悪くて通院が欠かせないので、出費ばかり増えます。新しい家に入れれば人間らしい生活に戻れると思っていたけど、実際はまだまだだった。減免がなくなるのは当事者には致命傷」と苦境を訴えます。

 党市議団は市議会で、復興基金を活用すれば被災者医療費窓口負担の減免は可能と、継続を訴えています。

 党宮城東部地区委員会の鈴木実地区委員長は「医療費も家賃もどちらも同じ家計から出ます。家賃減免の延長は喜ばしいことですが、現状維持であって引き下げではありません。医療費は実質、利用者が手元から出すことになるので、さらに生活が大変になります。国が財源的に責任を持ち、被災者と被災自治体を支えるべきです」と話しています。


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