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2018年3月10日(土)

虚偽答弁疑惑 佐川国税庁長官辞任

問われる首相責任

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却をめぐり虚偽答弁が問われていた佐川宣寿国税庁長官の辞任が決まりました。

 「佐川氏を国税庁長官につけたのは内閣の人事ミスです。世論を甘くみたのでしょう」。佐川氏を知る財務省元幹部はそう言います。

 佐川氏は、昨年の国会で財務省理財局長として、「処分方法、手段についてはすべて法令に基づいて適正にやっている」「価格についてこちらから提示したこともないし、先方からいくらで買いたいと希望があったこともない」などと答弁してきました。

 しかし、日本共産党国会議員団などが入手した学園と財務省の交渉を録音した複数の音声データでは、元学園理事長の籠池泰典被告=詐欺罪で起訴=が、「特例にしてくれたことはありがたい」「ゼロ円に近い形で払い下げてほしい」などと求めていたことが記録されています。

 また佐川氏は学園との交渉記録を「廃棄した」と国会で繰り返してきました。これも今年2月になって、財務省内で交渉経緯を記した法律相談書が保存されていたことが明るみにでました。

 佐川氏は理財局長のあとに国税庁長官に“出世”しました。今年になって、「佐川長官辞めよ」などと市民が国税庁を取り囲む異例の事態もおきました。それでも安倍晋三首相と麻生太郎財務相は佐川氏を「適材適所」とかばい続けてきました。

 森友学園疑惑は、国有地(大阪府豊中市)を約8億円も値引きして学園に売却したというもの。この背景には、学園が計画した小学校の名誉校長だった安倍首相の妻、昭恵氏の関与が取りざたされています。

 佐川氏の虚偽答弁は、昭恵氏が深くかかわる学園が“特別扱い”されていた事実を覆い隠すものでした。佐川氏の辞任で事態は収束するものではなく、安倍首相の責任こそが問われています。

 (三浦誠)


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