2018年3月8日(木)
辺野古「活断層疑い」
基地予定地調査報告書 軟弱地盤も明記
沖縄防衛局
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沖縄県名護市の新基地建設予定海域で沖縄防衛局が実施したボーリング調査、音波探査などによる地質調査結果の報告書に、予定地付近の陸部分を走る辺野古断層、楚久断層について「活断層の疑い」と明記していることが7日分かりました。
同報告書の情報開示を請求していた沖縄平和市民連絡会の北上田毅さん、国会でとりあげ開示を求めてきた日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の双方に防衛省が回答しました。
政府はこれまで国会で、赤嶺氏、糸数慶子参院議員の質問主意書に「活断層が存在するとは認識していない」などと回答してきました。
同報告書は、二つの断層について、活断層研究会編『日本の活断層』の図表などを引用し「図中に示された破線は、活断層と断定されてはいないが、その疑いのある線構造と分類されている」としています。
また、大浦湾に面したC1護岸計画付近の海底地質について「大きく凹む谷地形が形成されており、そこには非常に緩い、軟らかい堆積物」と指摘し、「構造物の安定、地盤の沈下、地盤の液状化の詳細検討を行うことが必須」と強調しています。
報告書は、C1からC3護岸計画付近に「当初想定されていないような特徴的な地形・地質が確認された」とし、「大きく凹んだ谷地形が形成されている」と明記。同付近の地盤の強度についても、数値が高いほど強い地盤を示す「N値」が「N値ゼロを示すものも多い」としています。
本紙は昨年9月24日付で防衛省の資料と研究者への取材による「活断層の疑い」を、同5月5日付で「軟弱地盤 米軍資料で判明」と報道。新基地建設の強行が、活断層による地震、津波の発生、施設の損壊で深刻な環境破壊をもたらす危険性を指摘してきました。