2018年3月8日(木)
南北会談 朝鮮半島の緊張緩和へ動き
内外へ働きかけた日本共産党
平和的解決を追求
|
韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領の特使団と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長らが5、6の両日、平壌で会談して、さまざまな合意に達しました。韓国側の発表によれば、第3回南北首脳会談の開催に合意したほか、北朝鮮は非核化を議題とした米朝直接対話を行うとの意思を確認。これは朝鮮半島情勢の緊張緩和に向けた重要な動きです。日本共産党は、特に戦争の危機が深刻に懸念された昨年以来、対話による平和的解決を日本政府と関係国に積極的に呼びかけてきました。(面川誠=国際委員会委員)
米朝直接対話呼びかけ
昨年8月、北朝鮮が「グアム島周辺への包囲射撃」を検討していると表明しました。米国のトランプ大統領は「北朝鮮がこれ以上米国を脅かすなら、炎と激しい怒りに直面するだろう」と発言。米朝間の緊張が深刻化していきました。
同月12日、志位和夫委員長は「危機打開のため米朝は無条件で直接対話を」との声明を発表。「当事者たちの意図にも反して、偶発的な事態や誤算による軍事衝突につながりかねない」と警告し、米朝が「直接対話に踏み出すなかで、核・ミサイル問題を解決する可能性を追求」するよう呼び掛けました。
志位氏は、9月3日に北朝鮮が6回目の核実験を強行した際と、11月29日に北朝鮮が弾道ミサイル発射を強行した際の談話で、米朝の直接対話が「いよいよ緊急で切実な課題になっている」と改めて呼びかけました。
韓国首相「大事な提起」「韓日共同で努力を」
8月21日、超党派の日韓議員連盟(日本側)と韓日議員連盟(韓国側)がソウルで合同幹事会を開きました。最大の焦点は北朝鮮の核・ミサイル問題でした。
日本共産党から参加した穀田恵二(議連常任幹事)と笠井亮(議連幹事)の両衆院議員は夕食会場で韓国の李洛淵(イナギョン)首相と懇談。米朝両国に無条件で直接対話を呼びかけた志位氏の声明(8月12日付)を手渡して趣旨を説明すると、李首相は「とても大事な提起だ」と歓迎し、「いま必要なことは、韓日両国が力を合わせて努力することだ」と積極的に応じました。
同日に日韓議連代表団の表敬訪問を受けた文在寅大統領も、核・ミサイル問題で日韓が緊密に協力して平和的に解決する必要があると強調しました。
日本政府の「軍事力行使容認」ただす
安倍政権は一貫して、北朝鮮との「対話のための対話は意味がない」として「対話否定論」に固執。「すべての選択肢はテーブルの上にある」とする米トランプ政権を支持し、軍事力行使の選択肢さえ容認してきました。
志位氏は11月2日、安倍首相への要請書で、これまでの対応を抜本的に再検討し、「米朝が直接対話に踏み切ること」「先制的な軍事力行使は絶対にやってはならない」という2点をトランプ大統領に提起することを要請しました。
同月21日の衆院代表質問では、この2点を米政府に提起するよう直接、安倍首相に求めました。志位氏は、「制裁強化と一体に『対話による平和的解決』をはかることこそ唯一の解決策であり、日本政府はそのためにイニシアチブを発揮すべきではありませんか」と強く迫りました。
関係各国に働きかけ
日本共産党は、北朝鮮の核・ミサイル問題の平和的解決を主張するだけでなく、関係各国に直接、積極的に働きかけてきました。
米朝直接対話を呼びかけた志位委員長の最初の声明(8月12日)を、北朝鮮核問題に関する6カ国協議参加国(米国、北朝鮮、韓国、中国、ロシア)と国連安全保障理事会の理事国、国連事務総長に送付・伝達。米国大使館は「声明の送付に感謝する」と述べ、「本国に伝える」と約束しました。
安倍首相への要請書(11月2日)も、これらの国々に送付しました。
戦争を絶対に避け、対話による平和的解決を追求すべきだという日本共産党の立場は、多くの国と共通のものです。
中国・ロシア大使と会談
日本共産党は、6カ国協議に参加する国々を中心に、在京大使との会談も進めています。
志位氏は9月11日、ロシアのアファナシェフ大使と懇談しました。同大使は朝鮮半島情勢を強く懸念し、北朝鮮に対する制裁だけではなく、関係国が参加する対話によって解決を図るべきだと強調。志位氏が説明した日本共産党の立場に共感を示しました。
9月14日に志位氏と会談した中国の程永華大使は、朝鮮半島での偶発的な軍事衝突は周辺国を巻き込む戦争に拡大すると強い危機感を表明。日本共産党の立場を本国政府と中国共産党に伝えることを約束しました。