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2018年3月7日(水)

主張

森友文書「改ざん」

安倍政権の責任が問われる

 「森友」疑惑をめぐり国会へ提出した資料の改ざんが疑われていながら、「捜査中」を理由に書き換えがあったかどうかさえ確認しない―財務省の回答は言語道断の極みです。国会提出資料の改ざんは、公文書に手を加えるという点でも国会を愚弄(ぐろう)する点でも、内閣全体の責任が問われる重大問題です。報道された改ざんの疑惑を財務省は否定していません。資料を照らし合わせればすぐわかるのに、書き換えがあったか否かさえ認めようとしない財務省の態度は徹頭徹尾の疑惑隠しです。麻生太郎財務相はもちろん、安倍晋三首相の責任は重大です。

理由にならぬ「捜査中」

 「森友」疑惑は、学校法人森友学園の小学校建設のために、大阪府豊中市の国有地が当初は異例な貸し付けで、その後は鑑定価格から9割も値引きした法外な安値で売却され、背後に安倍首相の妻、昭恵氏らの関与が疑われている大問題です。1年余りにわたって国会などで追及されながら、当時の財務省の佐川宣寿理財局長(現国税庁長官)は「交渉記録は廃棄した」などと言い張り、安倍政権は昭恵氏らの国会喚問を拒否してきました。それでも異常な払い下げや昭恵氏らの関与は動かしがたくなっているのに、先週末の報道で明らかになったのは、財務省が国会の求めに応じて提出した賃貸や売却の際の近畿財務局内の決裁文書が改ざんされていた疑いです。

 報道した朝日新聞によると、もともとの決裁文書には貸し付けの際には「特例的な内容になる」、売却の際には「価格提示を行う」などの文言があったのに、参院予算委員会が全会一致で要求し、提出された文書では削除、書き換えられていたというのです。参院予算委で日本共産党の小池晃書記局長や辰巳孝太郎議員らに追及され、財務省も改ざんがなかったとは言いません。いったんは週明けまでに調査するといったのに、6日になって持ち出してきたのは「捜査中」なので「確認できない」という一方的な文書です。国会や国民をばかにするにもほどがあります。

 正式に決裁された文書を書き換えること自体、公文書の改ざんにあたる重大犯罪です。しかも国会が資料提出を求めるのは国政調査のためであり、内閣は国会が求めたときには資料などを提出するというのが国会法の定めです。国会が「国権の最高機関」である以上当然のことです。国会が要求し、提出された資料が改ざんされたのでは審議の前提が成り立ちません。国会提出資料の改ざんは議会制民主主義を破壊する政権全体の責任で、総辞職にも値します。

 「捜査中」は調査しない理由にはなりません。国政調査で国会が審議した結果が、検察や警察の捜査にも役立ったことが過去の事件でもありました。安倍政権は「捜査中」などとごまかさず、改ざんについて真剣に対応すべきです。

疑惑はいっそう深まる

 報道されたように、貸し付けが「特例的」だとか、売買では「価格提示を行う」という文言が改ざんされていたとすれば、昭恵氏らがかかわって「森友」に便宜を図った可能性はいっそう深まり、佐川氏らの言い逃れは崩れます。

 昭恵氏や佐川氏の国会喚問を拒否し、疑惑の解明に背を向け続けてきた安倍政権への国民の不信は、もはや我慢の限界です。


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