しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年3月3日(土)

主張

原発ゼロ実現へ

市民と野党の共闘が展望開く

 東京電力福島第1原発事故から間もなく7年を迎えます。原発再稼働に突き進む安倍晋三政権と国民との矛盾がいっそう広がるとともに、市民と野党の共闘によって、原発ゼロを実現する新しい展望が生まれています。

福島「切り捨て」許すな

 福島では、県の発表で5万人超の県民が避難生活を強いられています。自主避難者らを含めれば、その数はさらにふくらみます。昨年春に帰還困難区域を除いて避難指示が解除された川俣、浪江、富岡の各町と飯舘村では、帰還した住民は数%にとどまっています。

 東京電力と政府は、自主避難者への住宅提供の打ち切り、業者への営業損害賠償の実質打ち切りなど「福島切り捨て」政策をすすめています。福島第1原発では汚染水問題も解決できず、廃炉・収束も見通せません。このような現実を前に世論調査では、福島でも全国でも「原発再稼働反対」は確固とした多数派となっています。

 しかし、安倍政権は、国民世論に背を向け、原発事故などなかったかのように原発の再稼働と輸出にまい進しています。今月は、関西電力大飯原発3号機(福井県)、九州電力玄海原発3号機(佐賀県)の再稼働まで狙われています。福島県民への責任を果たさず、国民の将来を危険にさらす原発を推進することは、許されません。

 原発事故以降、多くの市民が「原発を動かしてはいけない」との思いを強めて、主権者として声を上げ、行動してきました。首都圏反原発連合(反原連)の毎週金曜日の「原発再稼働反対官邸前抗議」をはじめ、全国各地で草の根から粘り強い運動が継続しています。

 こうした運動を背景に、小泉純一郎、細川護熙の両元首相や経済人、著名人が結集する「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が1月、稼働中の原発の即時停止、再稼働禁止などの法案骨子を発表しました。保守や経済界の人たちが、安倍政権の原発推進政策に異議を唱え、「どの政党であれ、原発ゼロ、自然エネルギー推進に全力で取り組むのであれば、われわれは協力していきたい」と表明したことは重要です。昨年の総選挙の際、「福島第1原発事故の検証のないままの原発再稼働は認めない」ことで「市民連合」と政策合意をした野党各党も、原発ゼロをめざす新たな共同への意思を示しています。

 市民と野党の共闘が前進すれば、原発ゼロ実現へのハードルは決して高いものではありません。いま重要なことは、安倍政権に、再稼働路線の中止と原発ゼロの決断を迫る国民的な運動をさらに大きく発展させることです。

3月の集会・行動の成功を

 3月は各地で原発ゼロをめざす行動が計画されています。原発をなくす全国連絡会は4日に東京・日比谷野外音楽堂で、反原連は11日に首相官邸前・国会正門前で、「さようなら原発1000万人アクション」は21日に東京・代々木公園で集会を行います。17日には、福島県楢葉町で「原発のない福島を!県民大集会」が開かれます。これらの集会とともに、各地の行動を大きく成功させましょう。

 日本共産党は2012年に「即時原発ゼロ」を提言し、官邸・国会前をはじめ、各地で市民と手を携え行動してきた政党として、市民と野党の共闘をすすめ、原発ゼロの実現へ力を尽くします。


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