2018年3月2日(金)
3・1ビキニデー集会へのメッセージ
日本共産党委員長 志位和夫
日本共産党の志位和夫委員長が1日、静岡県焼津市で開かれた「被災64年2018年3・1ビキニデー集会」に送ったメッセージ(全文)を紹介します。
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被災64年2018年3・1ビキニデー集会に参加されたみなさんに、日本共産党を代表して心からの連帯のあいさつをおくります。
昨年7月7日、国連で122の国ぐにの賛成によって、核兵器禁止条約が採択されました。核兵器を法的に「禁止」し、「悪の烙印(らくいん)」を押すことによって、その「廃絶」に進む展望を明らかにしたこの条約は、「核兵器のない世界」に進む、最も抜本的かつ現実的な道を示すものとなっています。すでに50以上の国ぐにが条約に署名していますが、できるだけ早期にこの条約を発効させ、加入国を大きくひろげていくことが、強く求められています。
この歴史的な条約をつくりあげるうえで、広島・長崎の被爆者を先頭とした日本の反核平和運動が果たしてきた役割はきわめて大きなものがあります。
1954年3月1日の太平洋ビキニ環礁での米国の水爆実験は、マーシャル諸島の人びとや第五福竜丸など多くの日本漁船の乗組員に重大な被害をもたらし、日本全国で空前の規模での抗議署名の運動を呼び起こしました。そのなかから原水爆禁止運動が生まれ、この運動は最初から世界に向けて核兵器廃絶を呼びかけるものとなりました。
それ以来、被爆者を先頭とした60年余にわたる草の根からの「核兵器のない世界」をめざす粘り強い運動が、世界を変え、歴史的な条約を生みだしたのです。このことに深い誇りと確信をもって、さらに前進しようではありませんか。
ヒバクシャ国際署名は、核兵器禁止条約が採択された新しい情勢のもとで、いよいよ大きな意義をもつものとなっています。この署名を世界数億の規模で集めるために、ともに力をあわせようではありませんか。
ひとにぎりの核保有大国とその同盟国は、「核抑止力」論にしがみついて、核兵器禁止条約に反対しています。米国のトランプ政権は、2月、新たな核政策―「核態勢見直し」(NPR)を発表し、新たな核軍拡への危険な暴走を始めています。
しかし、「核抑止力」論とは、いざという時には核兵器を使用するという「脅し」によって自らの安全保障をはかろうというものにほかなりません。それは、いざという時には、広島・長崎のような破滅的な非人道的惨禍(さんか)を引き起こしても許されるというものであり、今日の世界で決して受け入れられるものではありません。
わけても、唯一の戦争被爆国・日本の政府が、「核抑止力」論にしがみつき、核兵器禁止条約に背を向けていることは、恥ずべきことです。日本政府に、核兵器禁止条約にサインすることを、強く求めていこうではありませんか。サインしないというなら、私たちの手で禁止条約にサインする政府をつくろうではありませんか。
被災64年目の3・1ビキニデー集会が、「核兵器のない世界」の実現にむけた運動を発展させる契機として、大きな成功をおさめることを心から願って、連帯のメッセージといたします。