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日本共産党

2018年2月24日(土)

シリーズ 憲法の基礎

侵略に反省 平和への貢献決意

 憲法9条2項が徹底した軍事の否定に踏み出した背景には、アジアに対する侵略戦争への厳しい反省があります。

 憲法制定を審議していた帝国議会で三笠宮崇仁枢密院顧問官は、「満州事変以来、日本の表裏、言行不一致の侵略的行動については全世界の人心を極度に不安ならしめ、かつ全世界の信頼を極度に失っていることは大東亜戦争で日本が全く孤立したことで明瞭」と指摘。「将来国際関係の仲間入りをするためには、日本は真に平和を愛し、絶対に侵略を行はないと言う表裏一致した誠真のこもった言動をもって世界の信頼を恢復(かいふく)せねばならない」として、それは憲法の条文だけでは不十分であるが「とにかく憲法に明記することは確にその第一歩である」と述べました(1946年6月8日、枢密院本会議)。

 また当時の吉田茂首相は、「満州事変」も「大東亜戦争」も「自衛権」の名目でおこなわれたとしたうえで、「今日わが国に対する疑惑は、日本は好戦国である、何時再軍備をなして復讐(ふくしゅう)戦をして世界の平和を脅かさないともわからないというのが日本に対する大なる疑惑であり、誤解であります」と述べ、この「誤解」を解くことが第一だと強調しています。

 さらに吉田首相は「この疑惑は誤解だと申しながら、全然根底のない疑惑とも言われない節が、既往の歴史を考えて見ますると多々あるのであります」とし、まず「交戦権」をすすんで放棄することで「世界の平和確立に貢献する決意を、まずこの憲法において表明したい」(46年6月26日、衆院本会議)と述べたのです(表記は現代仮名使い)。

 これらの点で、憲法9条2項は、日本の徹底した非軍事化によって東アジアの平和を確保するためにつくられた規定なのです。


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