2018年2月20日(火)
きょうの潮流
あまりにも、ひどすぎませんか。「不毛だ」「選挙目当て」「説明する必要はない」。発言の主は日本維新の会代表の松井一郎大阪府知事です。攻撃の矛先を向けているのは維新以外の野党です▼何を「不毛だ」と言っているのか。財務省の佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長(現国税庁長官)を証人喚問せよと日本共産党などが求めていることです。学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却をめぐる財務省近畿財務局と学園の交渉記録は「ございません」「破棄した」と繰り返し国会答弁してきた佐川氏▼ところが、ないはずの資料が次々と出てきました。虚偽の答弁をしたのか、国会で説明しなさいと求めるのは当然のことです。なぜ国有地を8億円も値引きしたのか、交渉で何があったのか。納税者は知る権利があります▼それを「説明する必要はない」とはあきれます。松井知事はだれをかばおうとしているのか。佐川氏だけではないよう。学園が新設しようとしていた小学校の名誉校長が安倍首相夫人の昭恵氏だったからか。夫人の関与疑惑はいよいよ濃厚です▼それとも維新に火の粉が降りかかることを恐れているのか。学園の求めに応じて小学校設置の認可基準を緩和し、府私学審議会で懸念の声が噴出したのに「認可適当」としたのは維新府政です▼府議会で百条委員会設置に反対し、幕引きを図る維新。国有財産にかかわる疑惑で現国税庁長官に説明を求めず真実にフタをしておいて何が「身を切る改革」「納税者が納得できる政治」か。