しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年2月16日(金)

国・森友「口裏合わせ」

宮本岳氏 「値引き背景に昭恵氏関与」

 日本共産党の宮本岳志議員は15日の衆院予算委員会で、学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐって、国と学園側が2016年3月30日に開いた会合を録音したとみられる音声データの全内容を示し、国と学園側が値引きの「口裏合わせ」をしていた証拠を突き付けました。

 財務省は音声データの内容の一部について「事実関係の確認をした」と認めていましたが、「一部が切り取られている」「(会合は)さまざまな資料の提出をお願いしたいということ」などの言い訳を繰り返してきました。宮本氏は、会合の全体を記録した2時間分の音声データを事前に財務省側に渡して確認を求めたと強調。このなかで、国側の職員が「ストーリーはイメージしている」と切り出し、学園側の工事業者が「事実を伝えることが(森友)学園さんの土地(の価格)を下げることに反するなら、そちらに合わせる」と話していることを具体的にあげ、「これはただの『資料の提出』ではなく、価格を下げるのに役立つ資料だけだすということだ」と迫りました。財務省の太田充理財局長は「資料、情報の提出をお願いして必要な手順の協議をしていた」と繰り返すだけで、宮本氏が示した事実に対しては何の反証もできませんでした。

 宮本氏は「口裏合わせ」までして国有地をタダ同然で売り払った大本には、森友学園が計画していた小学校の名誉校長を務めていた安倍晋三首相の妻の昭恵氏の関与があったと指摘。事実を隠し続けた財務省の佐川宣寿・前理財局長(現・国税庁長官)の証人喚問を求めました。

宮本氏が示した音声データ(抜粋)

 国側の職員 うちも3メートルまでは国も試掘している。その下は何もやってないので。その下にあるごみというのは、国が知らなかった事実なんで、そこはきっちりやる必要はあるというストーリーはイメージしている。

 工事業者 ちょっと待ってください。そこは語弊があるので。3メートル下から出てきたかどうかは分からない。下から出てきたとは確定、断言できてない。そこにはちょっと大きな差がある。認識をそういうふうに統一した方がいいのであれば合わせる。でもその下から出てきたかどうかは、工事した側の方から、確定した情報としては伝えるのは無理。

 国側の職員 ○○さん(設計業者)もどこから出てきたか、判然としないという話で今までは聞いている。ただ今後、資料を調整する中でどういう整理をするのがいいのか協議させていただけるなら、そういう方向で話し合いをさせていただければありがたい。

 工事業者 虚偽をわれわれは言うつもりもないので、事実だけを伝える。ただ、その事実を伝えることが(森友)学園さんの土地(の価格)を下げることに反するならそちらに合わせることはやぶさかでない。

 国側の職員 言い方としては混在と。9メートルまでの範囲で。

 工事業者 9メートルというのはちょっと分からない。そこまでの下は。

 学園の弁護士 そこは言葉遊びかもしれないが、9メートルの所までガラ(ごみ)が入っている可能性を否定できるかと言われたら否定できない。そういう話だ。

 工事業者 その辺をうまくコントロールしてもらえるなら、そのへんにわれわれは資料を提供させてもらう。

 国側の職員 虚偽にならないように、あれが大事やと、混在していると。ある程度、3メートル超も一定あると。出るじゃないですか、ということ。

 工事業者 あると思う。

 国側の職員 そんなところにポイントを絞りたい。

 学園の弁護士 責任問題に発展しないように頑張っていただけるという意味での信頼を持っている。半分はわれわれのためにやってもらえると。半分はご自身のために頑張ってください。


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