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日本共産党

2018年2月13日(火)

戦争の足音が再び聞こえる時代、多喜二のようにたたかおう

多喜二祭での小池書記局長の連帯あいさつ

 東京都中野区で12日に開かれた「杉並・中野・渋谷 第30回記念多喜二祭」で、日本共産党の小池晃書記局長が連帯あいさつを行いました。


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(写真)連帯あいさつする小池晃書記局長=12日、東京都中野区

 小池氏は小林多喜二を「個人の尊厳を押しつぶす社会の矛盾を文学の力で告発し、不合理な現実を変えるため、たたかいに立ち上がる人々を描いた日本共産党員作家」と紹介。

 29年の短い生涯に残した作品のうち、小池氏は特高警察の拷問によって命を奪われる直前に書いた、『沼尻村』『党生活者』『地区の人々』の3作品を取り上げました。時代背景は、1931年、満州への侵略戦争が始まり「戦争が本格化すればもっと景気はよくなる」と政府が宣伝する「戦争特需」の時代。これらの作品群は「反戦平和と反ファシズムを訴えてたたかう人々を描き、今日の情勢から見ても、迫力と輝きを放っています」。

時空を超えて私たちの胸打つ

 『沼尻村』は戦時体制に組み込まれた農村の実情と、その中での反戦運動を描いた作品。続いて書かれた『党生活者』もガスマスクやパラシュートを作る軍需工場を舞台に反戦闘争を展開する共産党員を描いた作品。最後の作品となった『地区の人々』も北海道の港町の鉄工所を舞台に、反戦平和・生活擁護のたたかいをすすめる労働者と、産業界を戦争翼賛の流れにのみ込むため工場に派遣されてきた軍関係者との、たたかいの“綱引き”が描かれています。

 3作品に共通する、「戦争で景気がよくなった」などの宣伝を振りまき戦争推進の流れに国民を絡めとろうとする当時の権力の姿は「まるで、今の安倍政権のようだ」と小池氏は指摘しました。

 「国民生活や経済の実態には目もくれず、『アベノミクスで経済がよくなった』と叫びながら、9条改憲に突き進もうとする、安倍内閣の姿をほうふつとさせるではないか」と強調。「戦前の暗黒体制のもとで、『戦争反対』の声を上げ戦争推進勢力のウソを暴き、奮闘する、多喜二の作品の登場人物たちの姿は時空を超えて、私たちの胸を打つものがある」と評しました。

多喜二の訴えは実現しつつある

 続いて小池氏は、多喜二が32年10月24日、日本プロレタリア文化連盟(コップ)創立1周年に際して書いた「闘争宣言」を引用しました。「きたるべき革命が『ブルジョア民主主義革命』として広範な層を含むものであるがゆえに(中略)あらゆる問題をとらえての下からの『統一戦線』の戦術の適用によって、全革命的民主主義的勢力を吸集すること等々が実践されなければならぬ」―。統一戦線を呼びかけたものです。

 しかし当時は、統一戦線は実現できませんでした。小池氏は「私たちが生きる今の時代は、多喜二の時代とは大きな違いがある」と指摘しました。

 多喜二没後85年の今は、当時と何が違うか―。小池氏は二つの点を強調しました。

 一つは、多喜二の時代は非合法政党だった日本共産党が公然と活動し、2700人を超える地方議員、衆参合わせて26の国会議席を持つ政治勢力となっていることです。日本軍国主義の敗北と日本国憲法の制定、その後の民主主義発展の努力を受け、そうした公然たる思想弾圧は過去のものとなりました。

 もう一つは、多喜二が呼びかけたような民主主義的勢力の統一戦線、すなわち平和・民主主義・立憲主義を守り、安倍政権の戦争国家づくりに反対する「市民と野党の共闘」が実現しつつあることです。「オール沖縄」の共同の実現や、安保法制=戦争法に反対する空前の市民の運動を受け、新しい共闘がつくられ発展しています。

日本共産党を強く大きく

 「もし、多喜二が現代に生きていたら、この成果を大いに喜び、戦前とは比べものにならない、可能性と展望に満ちた現代のたたかいを、生き生きと小説に描き、社会変革の活動にまい進したのではないでしょうか」と問いかけた小池氏。「再び戦争への足音が耳元で聞こえる情勢の中で、多喜二のように声を上げ、多喜二のようにたたかいましょう。この党を強く大きくすることに、日本の未来はかかっています。戦後最悪の安倍政権を一日も早く打倒しましょう」と結びました。


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