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2018年2月9日(金)

「米兵美談」 「産経」誤報認める

沖縄2紙の批判受け謝罪

 産経新聞は8日付朝刊で、昨年12月12日付朝刊3面に掲載した「日本人救った米兵 沖縄2紙は黙殺」の記事に対して、1面に「おわびと削除」、3面に検証記事を発表しました。同紙は昨年12月に沖縄市で起きた交通事故で、米兵が「『日本人を救出した』は確認できませんでした」と削除。琉球新報と沖縄タイムスの地元2紙が、米兵の救出活動を「黙殺」したなどの非難は「批判に行き過ぎた表現がありました」と謝罪しました。

 「おわび」によると「同記事は取材が不十分であり、12月9日にインターネットで配信した産経ニュース」も削除されます。同配信記事では米兵の「勇敢な行動スルー」「メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」などと「救出活動」を報じない地元2紙を非難しました。

 この報道について地元2紙は「海兵隊も県警も(米兵による)救助の事実を確認できていない」と「産経」の報道を否定していました。今回の「おわびと削除」は2紙の批判を「産経」側が受け入れたもの。

 検証記事では、事故や米兵の行動を再取材した結果、「日本人男性を直接救助した事実は確認されなかった」と記載。フェイスブックや米テレビの報道などを確認した上で「海兵隊に取材した。この際、沖縄県警には取材しなかった」としています。

 琉球新報の普久原均編集局長は「琉球新報は今後とも『事実の報道に徹する』という基本姿勢を堅持します」、沖縄タイムスの石川達也執行役員編集局長は「事実関係の取材が不十分なまま、2紙に対し『メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ』などの表現を用いたことは不適切だったと思う」としています。


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