2018年2月1日(木)
主張
「赤旗」創刊90周年
真実と希望を届け国民と歩む
「しんぶん赤旗」はきょう創刊90周年を迎えました。日頃のご愛読とご協力、各界からお寄せいただいた励ましの言葉に感謝申し上げます。「赤旗」は、戦争や弾圧で余儀なく発行を中断した時期があったものの、反戦平和、国民主権、自由と民主主義、生活擁護の立場を貫いてきました。安倍晋三政権が改憲の企てを本格化させる戦後史の大きな岐路のもと、安倍暴走政治と対決する市民と野党の共闘を促進し、真実を伝える「赤旗」に新たな期待と注目が集まっています。その責任と役割を深く自覚し、政治の新しい未来をひらくため、決意を新たにしています。
「共闘の時代」の中で
「赤旗」(当時の呼称「せっき」)は1928年2月1日、日本共産党(22年7月創立)の機関紙として発行されました。当時日本は中国への介入と侵略を拡大する最中です。結成と同時に非合法活動を強いられていた日本共産党が「赤旗」を通じ国民の前に姿を現したことは、大きな衝撃を広げました。
「赤旗」は、「満州」と呼ばれた中国東北部への侵略戦争(31年)の危険性を早くから告発、厳しい弾圧に抗し「一人の兵士も送るな」と文字通り命をかけて呼びかけました。一般の新聞が「守れ満蒙 帝国の生命線」と戦争推進で足並みをそろえ、全国132の新聞社が「満州国独立」支持の共同宣言を発表する中で、反戦平和の旗を果敢に掲げ続けた「赤旗」は、日本のジャーナリズム史にとって重要な意義をもっています。
過酷な弾圧で「赤旗」は35年に発行が不可能になりますが、戦前掲げた正義と良心、理性にもとづく主張は、戦後、日本国憲法などにしっかり引き継がれています。
安倍首相がたくらむ改憲は、戦後日本の平和と民主主義を根本から覆し、日本を再び「戦争する国」にする危険極まりない歴史逆行そのものです。一部の大手メディアが安倍政権と一体で「政府の広報紙」さながらの主張をふりまき、メディアの権力監視機能が厳しく問われる時代、安倍改憲と正面から対決する論陣を張り、タブーなく真実を伝える「赤旗」の使命は決定的に重要となっています。
「大手メディアが死に体にある中、真実に迫ろうとする紙面で、多くの人が接することができるものは『赤旗』しかない」(元外務省局長の孫崎享さん)「政党の一機関紙が、社会や政治、世界を伝えるメディアとして、これほど貴重になるとは」(同志社大学大学院教授の岡野八代さん)「いつまでも、一人一人の人間の苦しみ、悲しみに寄り添ってくれる新聞であることを」(作家の赤川次郎さん)―。創刊90周年に際し各界の方々から寄せられたメッセージは、何度読み返しても身が引き締まります。
市民と野党の共闘を発展させるための幅広い人たちとの紙上交流など精力的な報道を続ける「赤旗」に「『共闘』の下地をつくった」(俳優の仲代達矢さん)と評価をいただいたことは、心強い限りです。「共闘の時代」に「国民共同の新聞」の役割をさらに果たします。
さらに多くの人の手に
市民と野党の共闘の絆が広がり、初めて「赤旗」を購読する方が生まれています。7月から日刊紙の電子版も発行する予定です。90年の節目の年、より多くの人が手に取っていただける「赤旗」をめざし、知恵と力を尽くします。