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2012年12月8日(土)

国公法弾圧事件

堀越さん 無罪確定

公務員の政治活動認める

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 休日に職場から離れた場所で日本共産党のビラや機関紙を配ったことが、国家公務員の政治活動を禁じた国家公務員法と人事院規則に違反するとして厚生労働省課長補佐(当時)の宇治橋眞一さん(64)と旧社会保険庁職員(当時)の堀越明男さん(59)が逮捕・起訴された国公法弾圧事件で7日、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は両事件の検察側、被告側の上告をいずれも棄却しました。東京高裁での宇治橋さんを有罪とする罰金10万円の不当判決と、堀越さんの無罪判決が確定しました。


宇治橋さんには不当判決

写真

(写真)国公法弾圧事件の最高裁判決の報告を弁護団・支援者とともにする宇治橋眞一さん(前列左から3人目)と堀越明男さん(その右)=7日、最高裁判所前

 公務員の政治活動と表現の自由が争点となった両事件のたたかいは、大阪市職員の政治的行為制限条例、地方公務員法改悪策動など、公務員の政治活動を一律に禁じる流れにくさびを打つものとなりました。

 千葉裁判長は、公務員が行った政治活動が国公法に違反するかは「(制限の範囲を)政治的中立を損なう恐れが実質的に認められる行為に限られる」と初の判断。政治活動が一律禁止されると解釈されてきた1974年の「猿払判決」の事実上の判例変更といえます。

 同時に千葉裁判長は「職員の地位、職務内容や権限、行った内容などを総合して判断するのが相当だ」と指摘。その上で、堀越さんについては「勤務時間外である休日に、公務員であることを明らかにせず無言で配布したにとどまる」として、二審判決を支持しました。

 一方、宇治橋さんについては課長補佐が「管理職的地位」だと実態にそぐわない認定をして、二審判決を維持しました。

 しかし、この判決について須藤正彦裁判官はビラを配ったことと職務への影響の「結びつきを認めることができない」と無罪意見を表明しました。

市田氏が談話

 日本共産党の市田忠義書記局長は同日、両事件の判決について談話を発表(全文)。「世田谷事件を有罪としたことは極めて遺憾である」としつつ、「最高裁判決が『政治的中立性をそこなうおそれが実質的に認められない行為は禁止されない』とし、(堀越事件の)高裁判決を是としたのも、(規制の再検討を求める)国民意識の変化を事実上認めたもの」とのべています。


 国公法弾圧事件 2003年11月、東京・目黒社会保険事務所(当時)の職員だった堀越明男さんが、休日を利用して自宅近くの中央区内で「しんぶん赤旗」号外を配った行為が、国公法・人事院規則で禁止する政治的行為に当たるとして、翌年3月に逮捕起訴された事件(堀越事件)。東京地裁は執行猶予付きの有罪判決(罰金)でしたが、東京高裁では逆転無罪判決となりました。当時、厚生労働省職員だった宇治橋眞一さんが05年9月に休日を利用し、土地勘のない世田谷区内で知らずに警察官舎で日本共産党のビラを配っていたところ、住居侵入で逮捕。住居侵入では起訴されず、国公法違反で起訴された事件(世田谷国公法弾圧事件)。一、二審とも罰金の有罪判決となっていました。


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