2012年7月10日(火)
オスプレイの危険性明らか
自動回転機能 米では義務づけず
赤嶺議員に防衛相認める
墜落事故が相次ぐ米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの日本配備をめぐり、日本共産党の赤嶺政賢議員は9日の衆院予算委員会で“オスプレイは安全”とする政府の論拠を突き崩し、配備の危険性を追及しました。(論戦ハイライト)
|
オスプレイの“安全性”をめぐっては、回転翼機が飛行中、エンジン停止しても揚力を使って翼を回すオートローテーション(自動回転)機能が欠如しており、墜落の危険性が高いとの指摘が相次いでいます。
防衛省発行のパンフレットには、「オスプレイはオートローテーションを行う」と明記しており、森本敏防衛相も「米側から『ある』と説明を受けている」と繰り返しました。
これに対して赤嶺氏は、製造元のベル・ボーイング社がガイドブックで「オスプレイは自動回転に頼らない」と明記するなど、メーカーも専門家も、米政府機関も否定していることなどを挙げ、「これでどうして、自動回転機能があるといえるのか」と追及しました。
森本防衛相は、「MV22は法律上、米連邦航空局(FAA)の基準に沿って一般的な回転翼機に求められているオートローテーション機能を義務づけられていない」と答弁。自動回転機能がなくても運用される可能性を認めました。
FAAの基準は米軍機には適用されませんが、米国防総省は政策上、同等の基準を課してきました。オスプレイはこの基準を除外した初のケースとされています。
赤嶺氏は、日本の航空法でも、自動回転できないヘリの飛行は禁止されていると指摘。「なぜ日本政府として安全性を確認もしていないような欠陥機を飛ばすのか」と批判しました。
また、オスプレイの2004年以来の事故率について森本氏が、「1・93で海兵隊平均の2・45を下回る」と述べたのに対して赤嶺氏は、「オスプレイと交代するCH46ヘリの事故率は1・11で、2倍近くになる」と反論しました。
低空飛行訓練 防衛相が容認
森本敏防衛相は9日の衆院予算委員会で、米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイが全国に広がる低空飛行訓練ルートで訓練を計画していることについて、「正式な通報は受けていないが、理論上はありうる」と述べました。その上で、「日米安保体制に基づいて駐留する米軍が、その能力を発揮するために訓練を行うことは、安保体制の趣旨に従う」と述べ、容認する考えを示しました。日本共産党の赤嶺政賢議員への答弁。