「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年7月10日(火)

論戦ハイライト

住民の命より安保か オスプレイ

赤嶺議員が追及 衆院予算委

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 9日の衆院予算委員会で、米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイの沖縄配備問題を取り上げた日本共産党の赤嶺政賢議員。アメリカいいなりに国民を危険にさらす政府の姿勢が浮き彫りになりました。


致命的欠陥――自動回転機能の欠如

赤嶺 機能あるなら根拠示せ

防衛相 乗っていないので…

写真

(写真)質問する赤嶺政賢議員(左)=9日、衆院予算委

 森本敏防衛相が米国のオスプレイ配備方針を沖縄県に伝えたのは、米側から通報があった翌日の6月30日でした。

 赤嶺氏は、53年前のこの日に、現うるま市の宮森小学校に、米軍のジェット機が墜落し、児童を含む18人が犠牲になったことに言及。「県民には戦闘機墜落という死の恐怖の記憶が残っている。そんな日に危険なオスプレイの配備を通告するなど、政府の姿勢は間違っている」と怒りを込めて批判しました。

 赤嶺氏は、オスプレイが開発過程で4回の墜落事故を起こし、30人の犠牲者を出していると告発。4月にはモロッコ、6月には米フロリダ州でも墜落事故を起こしていると迫りました。

 赤嶺 オスプレイの分析官が「ボタンをさわっただけで機体を墜落させる可能性がある」と指摘している。この機体が極めて墜落しやすい構造ということではないか。

 防衛相 最終的な事故調査報告書を待っている。しかし、米国は引き続き、事故後も同機を運用していると聞いている。

 赤嶺氏は、「『米軍が訓練を中止していない』という理屈は、何の安全の証明にもならない」と反論。他党の議員からも、「やめてよ。そんな危険な飛行機を持ってくるのは」との声が飛びました。

 赤嶺氏は、日本の航空法が、墜落防止のオートローテーション(自動回転)機能のないヘリの飛行を禁止していると追及。羽田雄一郎国土交通相はその通りだと認めました。

 赤嶺 専門家が「オスプレイのオートローテーション機能は一度も実証されたことがない」と述べ、メーカーも同機能に「頼らない」としている。実証されているのか。

 防衛相 アメリカからは、オスプレイがオートローテーション機能を持っていると聞いている。

 赤嶺 わたしがきいているのは、実際の試験や訓練で、きちんと実証されているかということだ。

 防衛相 オートローテーションが確認できるかどうかは、私が乗っていないのでなんとも言えない。

 赤嶺 「乗ったら実証できる」などという理屈で配備を進めるのは大問題。欠陥ヘリを飛ばすことなど許されない。

 赤嶺氏は事故率でも現在、普天間基地に配備されているCH46ヘリの2倍に上り、空軍のオスプレイをあわせると4倍になることを指摘。墜落しやすい構造、オートローテーション機能の欠陥、事故率の高さ―オスプレイの危険性が浮き彫りになりました。

低空飛行訓練――全国どこでも展開

赤嶺 野放しにしていいのか

防衛相 安保の趣旨に従うもの

 もう一つの重大問題は、日本全国でオスプレイの訓練を行う計画です。赤嶺氏は、米軍が実施した環境レビューを示し、東北から信越、四国、紀伊半島、九州・沖縄まで六つの低空飛行訓練ルートでオスプレイが飛び回る計画になっていることを告発しました。

 赤嶺 政府は同意しているのか。

 防衛相 この通りに訓練するとは聞いていない。

 赤嶺 テレビで「認める」といっていた。

 防衛相 六つのルートで訓練する可能性はありうるといった。

 赤嶺 「ありうる」というのは訓練を認めるということだ。

 赤嶺氏は、ルートの下には集落や市街地、学校、病院もあると指摘し、迫りました。

 赤嶺 これらの上空で低空飛行訓練を行うことは、99年の日米合意にも違反する。

 防衛相 実際に行う場合には日米合意を順守し、住民の安全・安心に最大限配慮するよう働きかける。

 赤嶺 低空飛行訓練を受け入れる前提での答弁だ。

 赤嶺氏は、ワイヤ切断事故(奈良県十津川(とつかわ)村・87年)、早明浦(さめうら)ダムでの墜落事故(高知県・94年)、爆音に驚いた地鶏の大量圧死(秋田県・10年)、衝撃波による土蔵の崩壊(岡山県・11年)など繰り返される被害をあげ、「さらに欠陥機を配備し、低空飛行訓練を野放しにしていいのか」と批判。森本防衛相は「米軍が能力の発揮に必要な訓練を行うことは、日米安保体制の趣旨に従うもの」と述べ、アメリカいいなりにオスプレイによる低空飛行訓練を容認する姿勢を示しました。

地図

見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって