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日本共産党

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赤旗

東日本大震災津波、東京電力福島第1原発事故から14年にあたって

2025年3月11日 日本共産党書記局長 小池晃

 ――東日本大震災津波と、東京電力福島第1原発事故から14年を迎えるにあたり、犠牲になられた方々にあらためて哀悼の意を表するとともに、被災者のみなさんに心からのお見舞いを申し上げます。生活再建と復興への努力をねばり強く続けておられる方々に敬意を表します。日本共産党は、被災者の暮らしと生業(なりわい)の再建、被災地の復興のため、国民のみなさんとともに力を尽くします。

 ――深刻な津波被災地である岩手県大船渡市の山林火災で、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。津波で全てを流されたうえ、懸命に再建した高台の自宅が再び焼失し、避難所暮らしや仮設住宅に戻ることの落胆、精神的苦痛ははかり知れません。住宅の早急な確保はもとより、二重災害となっている被災者への特別の支援が必要です。

 ――津波被災地には、震災による甚大な被害に加え、深刻な不漁、物価高騰などが襲いかかっています。震災後復活した事業者が借金で立ち行かなくなるなどの事態も起きています。災害援護資金の返済期限の延長、返済免除の要件緩和が必要です。災害公営住宅の入居から10年がすぎて家賃の特例減免制度がなくなると、家賃負担が重くのしかかることも見直しが必要です。二重三重に襲われた災害やコロナ禍、物価高などの困難を十分に考慮した対策を政府に強く求めます。

 ――政府は、第2期復興・再生期間の5年目である2025年度で、復興事業がその役割を全うするとしています。確かにかさ上げ、高台移転による宅地造成、道路などのハード事業はほぼ完了していますが、被災者の高齢化や孤立が大きな課題になっています。独居老人や孤独死が増え、見守り、相談などの必要性はむしろ増えており、心のケアやコミュニティーの維持・継続も必要です。支援策の縮小・打ち切りをやめ、中長期的に被災者の置かれている状況に応じた支援の継続を求めます。

 ――東京電力福島第1原発事故では、東京電力旧経営陣の責任を問う刑事裁判で最高裁は上告を棄却しましたが、世界的にみても類をみない原発事故で、誰も刑事責任を問われず、国も東京電力も責任を問われないことは不当だと言わざるを得ません。地震・津波国である日本で安全な原発などありえず、一日も早く原発ゼロを実現しなければなりません。

 ――閣議決定された、第7次エネルギー基本計画は、「原発依存度の低減」を投げ捨て、原発の「最大限活用」を明記し、原発の再稼働、新増設・建て替え、次世代革新炉の開発・設置をすすめるとしました。しかし、福島第1原発事故は、いまだ収束の見通しさえ立たず、数万人が避難を強いられ、故郷を奪われたままです。880トンあるといわれている燃料デブリを試験的に取り出せたのはわずか0・7グラムにすぎず、ALPS処理水の海洋放出処理の過程で発生する放射性物質を含む汚泥(スラリー)の保管容量はほぼ満杯となり、その他の放射性廃棄物の処分についても見通しが立っていません。新たな問題が次々と持ち上がっているにもかかわらず、福島原発事故を「終わったもの」にして、原発回帰にかじを切ることは許されません。エネルギー基本計画は撤回し、国民的な議論をやり直すべきです。

 ――東日本大震災の痛苦の教訓を生かすことが政治に求められます。しかし、能登半島地震などの大災害で、同じ苦しみが被災者にのしかかっています。避難所の環境は劣悪で、ジェンダーの視点も弱く、住宅や事業の再建への国の支援はきわめて不十分です。その根底には、災害から暮らしや生業を再建することさえも「自己責任」にしようとする政治があります。被災者生活再建支援金を600万円以上に引き上げ、対象を半壊・一部損壊にも広げるなど、被災者が暮らしの再建に希望がもてる政治への転換に、日本共産党は全力をあげる決意を表明するものです。

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