お詫び:音声ブラウザ用簡易ページは現在機能しません。このまま、通常のページをご覧ください。

日本共産党

  • 文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大

ENGLISH PAGE

赤旗

第4回中央委員会総会 志位委員長の結語


第4回中央委員会総会

志位委員長の結語

2011年12月4日


 

写真

(写真)結語を述べる志位和夫委員長=4日、党本部

 

 みなさん。2日間の会議、ご苦労さまでした。私は、幹部会を代表して、討論の結語をおこないます。

率直に意見を出し合って、大議論をおこない、具体化を

 まず、総会の全体の特徴についてのべます。2日間で53人の同志が発言しました。たいへん豊かで、充実した討論だったと思います。全国で7809人が視聴し、417通の感想文が寄せられています。

 討論では、幹部会報告がきわめて積極的に受け止められました。とくに、総選挙をどういう姿勢と方針でたたかうか、そのために「党勢拡大大運動」をどう発展させるかについての幹部会の新しい提起が、しっかりと受け止められ、深められ、「総選挙勝利で綱領実現にむけて新たなスタートを」という決意がみなぎる総会となりました。

 討論のなかでは、長野県副委員長から、有権者比で党員でも、日刊紙読者でも、得票率でも、京都を抜いて全国1位になることをめざしているという決意が、語られました。さきほど、結語を準備する幹部会で、京都府委員長から、京都は全国1位を守り、さらに前進させるという決意表明があったということも、ここでご報告しておきたいと思います。

 この方針をやりぬくことは、文字通りの一大事業となります。そこには、突破すべきいろいろな困難もあります。全国からの感想では、「すべての小選挙区で候補者擁立をめざす」という方針について、「適切な方針だとは思うが、困難が大きい」という声も寄せられました。私は、率直な意見を出すことは、真剣に方針を受け止めているがゆえのものだと思います。ぜひ、率直に意見を出し合って、党機関と党支部で、この4中総の決定されるであろう方針を、時間を惜しまず大議論をおこなって、具体化していくことを、まず心から訴えたいと思います。

情勢論、総選挙方針、「大運動」の方針を、一体的に議論しよう

 党機関と党支部で、討論と具体化をすすめるうえで、幹部会報告の全体の組み立てをよくつかんでいただきたいと思います。討論のなかでも、報告の組み立てをつかむことが大切だということは、何人かの同志がのべたことでした。幹部会報告では、情勢論と一体に、総選挙方針を提起し、それをやりきるために「大運動」の強化方向を提起しています。

 幹部会報告の第1章と第2章では、今日の情勢の特徴――「二大政党づくり」が破たんに直面し、広範な国民のなかに、この枠組みをこえて新たな選択肢を探求する動きが大きく広がっていること、広範な人々と日本共産党との対話と共同が広がる状況が生まれていることを明らかにしました。

 報告の第3章で提起した総選挙の方針、とくに候補者擁立についての新しい提起は、この情勢論から出てくる必然的帰結として提案したものであります。私たちは長い間、「二大政党づくり」の動きに苦しめられてきました。しかし、その動きがいままさに、破たんに直面しています。国民がそれを乗り越える新しい政治を求めています。その時に小選挙区に候補者を立てないでいいのか。この問題を、常任幹部会としても、幹部会としても議論し、それを踏まえて提案したのが、今回の方針であります。

 そして、この総選挙方針をやりぬこうとすれば、「党勢拡大大運動」を文字通り飛躍させなければなりません。その目標の自覚化と発展がどうしても必要となります。幹部会報告の第4章では、そういう見地から「大運動」の目標と方針の発展を提案しています。

 このように、情勢論、総選挙方針、「大運動」方針は、一体のものであります。ですから、討論で深めるさいにも、一体的に議論し、深め、腹を固め、具体化しようではないかということを訴えたいのであります。

各分野の国民運動の豊かな発展、日本共産党との新たな共同が広がる 

 情勢の新しい変化のもとで、各分野の国民運動が豊かに発展していること、日本共産党との共同が劇的に広がっていることが、討論で生きいきと報告されました。

 全国各地で、震災復興、環太平洋連携協定(TPP)反対、原発ゼロ、基地撤去、独裁政治反対など、さまざまな課題での「一点共闘」が広がっていることが、こもごものべられました。福島県からは、「原発なくせ」が「オール福島」の声となっていることがのべられました。北海道からは、「TPP反対」が知事や経済界もふくむ「オール北海道」の声となっていることが報告されました。沖縄県では、「県内移設反対」が揺るがぬ「オール沖縄」の声になっていることがのべられました。大阪府からは、「橋下独裁政治ノー」の一点で、党派の垣根をこえ、保守の人びとをふくむ広大な共同がつくられ、新たなたたかいを発展させようとしていることが報告されました。

 さまざまな分野で、党派の垣根、政治的立場の違いをこえて、「一点共闘」が豊かに発展しています。そして、どの問題でも、それらの「一点共闘」のなかで、日本共産党が重要な役割を果たし、保守をふくむ広範な人々とスクラムを組み、たたかいのよりどころとなり、信頼を広げています。

 こうした動きの根底に何があるでしょうか。私は、こういう新しい情勢が広がる根底には、「二つの異常」を特徴とする古い政治が深刻なゆきづまりに突き当たっているという大問題が横たわっていると思います。

 また、発言でものべられたように、こうした「一点共闘」から出発しながら、それぞれの問題の打開の方策を真剣に考えようとすれば、米国・財界中心の政治の歪(ゆが)みを正すことにつながらざるをえない。そこでも日本共産党の役割への期待が広がっていることは、たいへんに重要です。

 発言では、「農協のみなさんとTPP反対の共同闘争をすすめることで一致した。そのうえで、この地域をどうやって発展させるのか、日本の経済をどうするのか、その展望は、ぜひ日本共産党に示していただきたいという要請が、先方からあった」ということが報告されました。そういう形で日本共産党の役割への期待が広がっていることは重要です。

「二大政党」の基盤の大崩壊――政治的力関係の劇的変化の可能性

 さらに、ここで強調したいのは、各分野での国民的運動のこうした劇的な広がり、新しい共同の広がりは、それぞれの地方で「二大政党」の基盤の大崩壊がはじまっていることを意味しているということです。そのもとで、私たちの奮闘いかんでは、従来の政党の力関係を劇的に変える可能性をはらんでいることを意味しているということです。

 それは、被災3県での県議会議員選挙での日本共産党の躍進という結果にあらわれました。北海道では、TPP参加反対の道民集会が開かれ、道農協中央会、道知事、道経済連合会会長、道医師会など、文字通り「オール北海道」の集会となりました。日本共産党からは紙智子議員が参加・あいさつして盛大な拍手を受けました。ところが民主党は参加すらできなかったのであります。北海道委員長は、「もはや北海道には『民主の風』は吹いてはいない」と発言しました。北海道といえば、民主党の拠点中の拠点と言われた地域でしたが、まさにその基盤の大崩壊が起こっているのです。政治的力関係の劇的な変化の可能性が、いま目の前にあらわれています。私たちの奮闘によって力関係を大きく変える、大志とロマンをもってがんばりたいと思います。

 同じような変化は、全国どこでも起こっていることは間違いありません。この希望ある変化を、全党の確信にし、自らの奮闘によってそれを総選挙の勝利に結実させようではありませんか。

小選挙区への積極的擁立は、国民に対する私たちの責任

 幹部会報告では、総選挙方針について、「二大政党づくり」の動きを乗り越え、綱領実現にむけた新たなスタートを切る勝利を必ずかちとろうと訴え、新しい提案をおこないました。とくに、候補者擁立の方針を変更し、「すべての小選挙区で候補者擁立をめざす」という方針でたたかうことを提案しました。

 この提案は、討論で積極的に受け止められ、深められましたが、これを具体化・実践していくうえで、討論を聞いて、大事だと考えるいくつかの点をのべます。

 第一は、幹部会報告でのべた「わが党の対応を考えるさいに、組織の実情からだけ出発するのではなく、情勢の劇的変化のもとで国民が求めている党の役割を果たす」という見地が何よりも大切だということです。討論でも、国民への責任を果たすというところで気持ちを吹っ切って、方針に挑む決意が固まったということが語られました。

 この点にかかわって、討論のなかで、何人かの同志から、次期総選挙では、「この地域でも小選挙区で候補者をたててほしい」、「今度は立てたい」という声が、すでに党内外から寄せられているということが報告されたことは、たいへん大切だと思います。

 「共産党が候補者を立てなかったら、TPP反対の声を託すところがなくなる」という声が出ているという報告もありました。「大震災の被災地の沿岸部で候補者を立てなければ、被災地の声が国政に届かなくなる、ぜひ立てなければ」という声が起こっているという発言もありました。

 いまの政党状況のもとで、少なくない国民が、自らの願いを国政に届けるうえでは日本共産党が積極果敢にたたかうことが必要だと、日本共産党が候補者を立てることを求めています。小選挙区に積極的に候補者を擁立することは、国民に対する私たちの責任だということを強調したいと思います。

擁立するからには、勝利めざす姿勢が有権者に伝わるたたかいを

 第二に、いくつかの発言で提起されたことですが、小選挙区で候補者を擁立するからには、有権者から見て本気で勝利をめざすという姿勢がつたわるような取り組みを、思い切っておこなうようにしたいと思います。日本共産党は本気で小選挙区でも比例でも勝利をめざしてがんばっている、その姿勢がビンビン伝わっていく、そういうたたかいをやっていきたい。

 こうした姿勢にたってこそ、比例での躍進に貢献できるたたかいになりますし、小選挙区での前進、さらには勝利にもつながっていきます。そういう見地で小選挙区候補者の押し出しや、それぞれの候補者の魅力を大いに生かした取り組みを、自由闊達(かったつ)におこなうようにしたいと思います。小選挙区の上げ潮の取り組みと相乗的に、比例代表の躍進をはかるようにしたいと考えます。

「大運動」で党を大きくし、財政の基盤をつくる――ここに正面から挑む

 第三に、党組織の現状からみて、この方針の実践は容易ではありませんが、発言で多くの同志がのべたように、困難を突破する道は「大運動」で党を大きくし、財政の基盤をつくる、ここに正面から挑むことに思いを定めることが大切であります。

 この方針を実践することを考えたら、党の経常財政でも財源をつくる必要があります。それを保障することを考えたら、党員拡大と読者拡大によって大きく強い党をつくる以外に道はありません。

 供託金募金・選挙募金にも大いに取り組みたいと思いますが、発言のなかで、選挙区の後援会長さんに「財政の見通しがついたら候補者を擁立する」と言ったところ、「候補者の擁立を決めたら募金に協力する」と言われたという話がありました。募金も、擁立をまず党が決意するところから始まると思います。

 発言のなかで、この方針を「中央と地方が一体に取り組む」とした幹部会報告を実践することへの期待が寄せられました。中央として候補者擁立を支援し、一体に取り組むための特別の体制をつくり、地方と協力して取り組むようにしたいと思います。

 候補者擁立は急ぐ必要がありますが、拙速もいけません。一定の期間をかけて、ベストの候補者を一人ひとりつくっていくという大仕事を、中央と地方が知恵と力を合わせて取り組みたいと思います。

選挙活動にかんするいくつかの要望について

 なお、選挙活動にかんするいくつかの要望について、お答えいたします。「若者や子育て世代に党の姿を伝える政治戦略と政策宣伝物が必要ではないか」という意見がありました。これはたいへん大事な指摘だと思います。若い世代、30代から40代の子育て世代のなかで、日本共産党の支持をどれだけ広げるかは、選挙の勝利を考えたら戦略的位置づけと方針が必要です。そのための政治戦略をたて、宣伝物については適切な時期に作成することをお約束したいと思います。

 それから、「インターネットを活用した取り組み、ツイッターなどの活用の強化を」という提案もありました。これもさらに強化する方向で検討したいと思います。

総選挙方針によって、「大運動」に「魂」を入れる

 最後に、「党勢拡大大運動」の飛躍のカギはどこにあるかについてであります。

 多くの発言で、幹部会報告が示した総選挙方針によって、「大運動」に「魂」を入れることが、この運動の飛躍のカギだということが語られました。

 来るべき総選挙は、「二大政党づくり」の破たんという新しい情勢のもとでの歴史的なたたかいとなります。ここで前進に転じなくていつ転じるのか、ここで勝たずにいつ勝つのかという選挙になってきます。

 この選挙で、「成長・発展目標」への接近・実現をめざし、650万票以上の得票目標を本気で達成しようとすれば、それにふさわしい党勢拡大の目標がどうしても必要となります。幹部会報告で提起した「大運動」目標の明確化と見直しは、こうした見地に立ってのものですが、報告の提起が歓迎されたことは、心強いかぎりです。情勢の新しい特徴、総選挙方針の発展の意義をつかむことと一体に、「大運動」に文字通り「魂」を入れて、何としてもここで飛躍をかちとりたいと思います。

「大運動」の飛躍をどうかちとるか――討論をふまえて

 「大運動」の飛躍をどうかちとるかについて、報告では「五つの強化方向」を提起しましたが、これも討論で深められました。討論を聞いて、重要だと考えたことを、いくつかの点にしぼってのべます。

 一つは、要求実現と党勢拡大を党活動の「車の両輪」として取り組むことが、いまの新しい情勢のもとで、いよいよ大切だということです。多くの発言で、大震災・原発事故を契機に、草の根からさまざまな自発的な国民の運動が起こっていることが報告されました。とりわけ、若者や子育て世代が、原発問題、放射能問題などで多種多様な運動に取り組み、日本共産党員がその運動に参加・協力するなかで、まったく新しい層、若い世代との共同が広がっている。そうした取り組みに日本共産党が立党の精神に立って参加・協力するなかで、信頼を高め、党勢拡大を前進させている経験が、各地から報告されたことはたいへんに重要であります。すべての支部で、要求実現と党勢拡大を「車の両輪」で取り組むことを訴えたいと思います。

 二つ目は、党員が日刊紙を購読することの意味についてであります。この問題を、党の都合からでなく、何よりも一人ひとりの党員を大切にし、その成長に責任を負うという見地から深くつかんですすめることが大切であります。現在のメディアの状況のもとで、党員がその初心を生かして成長し、かけがえのない人生を党とともに歩もうとすれば、日刊紙を読むことはどうしても必要となってきます。そこがわかってもらえれば、「経済的理由で購読できない」という問題も、かなりは解決できるのではないでしょうか。日刊紙は月3400円です。1日分は約100円です。「党員としての生活に欠かせない」ことを自覚した新入党員が、「1日100円貯金」を始めて、購読料を捻出しているという経験も報告されました。党員が日刊紙を購読することの意味を、「日本共産党らしい党づくり」の不可欠の柱として、新入党員を含めてすべての党員に理解してもらう取り組みを大いに強化したいと思います。この問題は、あくまでも党員の自覚の問題です。その自覚を呼び起こす働きかけを、心をこめておこなおうではありませんか。

 三つ目は、党機関の指導と活動の改善の問題です。福岡県からの発言で、八幡・戸畑・遠賀(おんが)地区委員会で、2中総決定、3中総決定を受けて、支部に足を運ぶことに重点を移し、活動改善をすすめている経験が報告されました。支部会議や「集い」に、毎日、二つも三つも回っている地区の副委員長が、「自分がどのくらい足を運ぶかで支部の質が決まる。それと同時に、自分の支部指導の質が決まる。まさに『量から質へ』です」と、支部に足を運ぶことが、指導水準の質的な発展をつくっていることを、実感をこめて語ったということが報告されました。この地区委員会では、常任委員全員が支部に入り、援助を強め、「大運動」で入党の働きかけをした支部が61%、党員を迎えた支部が34%、県下トップの42人の党員を拡大しているとのことでした。ここには、党機関の指導の改善という点で豊かな教訓があると考えるものです。

 最後に、四つ目の問題ですが、今度こそ文字通り100%の支部と、100%の党員が、採択されるであろう第4回中央委員会総会決定を身につけ、「決定で党をつくる」という仕事に知恵と力をつくし、情熱を傾けて取り組むことを呼びかけたいと思います。

 12月は、年末の諸課題もあり、党機関の仕事がたいへんに多い月ですが、この12月から4中総決定の100%徹底に挑戦しながら、「大運動」の飛躍を必ずつくりだす。総選挙にむけた上げ潮をつくり、飛躍をつくる仕事をただちに開始しようではありませんか。このことを最後に呼びかけて、討論のまとめとします。ともにがんばりましょう。

 

党紹介