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赤旗

飛躍の条件は熟している 全国活動者会議の討論から(1)

飛躍の条件は熟している

日本共産党 全国活動者会議 討論から(1)

2012年5月24日~25日


 24、25の両日、党本部で開かれた日本共産党全国活動者会議(全活)は、2日間で64人が発言し、党大会に匹敵する充実した討論がおこなわれました。活発な討論の様子を特集します。(「しんぶん赤旗」2012年5月30日付)


 4中総後にすすめてきた「三つの政治的探求と努力」(閉塞=へいそく=打開の展望を語る、一致点にもとづく共同、反動的逆流とのたたかい)が、全国各地で広がっています。その経験を通じ、「大運動」の飛躍へ、支部や党員に活力が生まれています。

「提言」・外交ビジョン語る

情勢の変化に手ごたえ

 「わが党が『提言』をもって多くの国民と対話することができれば、政権も取れる情勢だという手ごたえを感じています」。生きいきと地域の変化を発言したのは、衆院福岡9区の真島省三予定候補(前県議)です。

 この間、13支部と18の商店街を軒並み訪問して「提言」を紹介し、約850人の商店主と対話してきました。

 富裕層・大企業優遇のことをほとんどの人が知らず、話せば「金が余っているところから税金は取らないと」と強い共感があり、半数以上から「応援します」と言われます。

 「ずっと自民党を支持してきた」という老舗の酒屋さんには、「民主も自民もダメだ。今度は共産党を応援してみようかと思っている。この『提言』の方向を実らせてほしい。議席を増やさないと実現しないじゃないか。100議席くらい取る構えで」と言われました。

 行く先々で即席の「集い」の様相です。支部の党員も「びっくりした。情勢は変わっている」と確信になり、「赤旗」読者の拡大につながっています。

 衆院比例北海道ブロック畠山和也予定候補は、企業城下町の商工会議所にでかけ、「提言」で懇談したことを紹介しました。

 最初は専務理事に「増税は仕方がない」といわれましたが、「確かに今、増税しないほうがいい。会員の多くは中小零細企業。会員数が減っていくなかで、消費税増税は大変だ」と一致点が見えてきて、長い懇談に。地元の党市議は「今までは、通り一遍のあいさつだった。情勢は変化している」と話しています。

 「日本共産党となら、話ができるという状況が広がっているのが特徴です。月刊誌『財界さっぽろ』(3月号)に私と志位委員長へのインタビュー記事が掲載されたのはご存じの通り」と畠山さん。

 6月9日に志位委員長を迎えた経済懇談会にむけ、2千をこえる団体への案内をしており、「多くの方が日本共産党の話を聞いてみよう、となっているのは間違いない。目の色を変えて頑張るのが予定候補者の役割の一つ。党員にほれてもらえる予定候補者になります」との決意は、会場をわかせました。

安保なくしたら

 静岡県の山村糸子県委員長は、初めて党の演説会に参加した人が志位委員長の話を聞き、「ASEAN(東南アジア諸国連合)の平和の共同体の道には驚いた。日本が安保条約を廃棄して北東アジアにも平和の流れをつくろうという訴えには、感動で涙が出た」と語ったことを紹介しました。

 この演説を「集い」で使えるようにと、「安保をなくすと、どういう展望が開けるか」という部分だけを抜き出したDVDをつくって、活用しています。

 「普天間基地閉鎖・県内に新しい基地はつくらせない」が、オール沖縄の県民総意です。

 同県の村山純県委員長代理は、「県外移設論は基地を認める立場。全国のたたかいと連帯し、無条件撤去をさせる。県民の総意を実現する道を主張しているのは日本共産党だけです。安保をなくして、基地のない沖縄、日本への展望を示す」とのべ、6月の沖縄県議選勝利への決意を表明しました。

 地元紙にのった小学6年生の「10年後、基地という言葉がなくなり、アメリカと沖縄が仲良くなっているといいと思う」という投稿を紹介し、「まさに党の外交ビジョンの方向」と一致しました。29、30両日の志位委員長の街頭演説に向け、医師会、農協、自治体、経済団体など千の団体に、党の外交ビジョンを届けています。

消費税・TPP・原発問題…

一致点での共同広がる

 消費税、環太平洋連携協定(TPP)、原発…さまざまな分野で一致点にもとづく共同が発展しています。

 TPP反対の「一点共闘」が大きく発展する北海道―。

 道委員会農民部の野呂光夫さんは「オール北海道」の「TPPを考える道民会議」をはじめ全道各地で団体がつくられ、「国政でも地方政治でも一貫してTPP反対を貫く日本共産党への共感を広げています」と発言しました。

 6月9日に2千人の「TPP反対総決起集会」とデモが計画されている釧路では、「農協の組合長が、農民連役員の党員に、『農村はわれわれが何とかするから、市民むけには共産党やあなた方の力を借りたい』とのべるなど、党が農協のパートナーとなっています」と。

 TPP反対のたたかいのなかで、入党のよびかけを大きく広げ、「大運動」に入って多くの農民、漁民を党に迎えています。

 北海道北見地区では、党のTPP学習会に参加した農業後継青年を党に迎えたことをきっかけに、農村青年支部を結成しました。

 石川県の秋元邦宏県委員長は、県医師会長から「命の格差を生むTPPには全面的に反対で、広い方々と協力したい。私たちは自民党支部を廃止した。どの党であれ、要求の一致点で行動すると確認した」といわれたことを紹介し、「3年前の選挙のときとは、様変わりの情勢だ」とのべました。

 宮崎県でも、TPP反対で、「オール宮崎」の共同をすすめています。

 津島忠勝県委員長が、宮崎市の共産党演説会に、県知事や町長がはじめて参加してあいさつし、JA宮崎中央会の会長がメッセージを寄せたことを発言すると、会場にどよめきが。

 津島さんは、「幅広い参加で驚いた。時代は変わりつつあるんですね」という参加者の感想を紹介しつつ、「情勢の進展にふさわしく、来るべき総選挙で得票目標を実現し、九州・沖縄ブロックで2議席を今度こそ」と思いをこめました。

幅広い層が結集

 「帰れる見通しもなく、家族をバラバラにされ、生活の糧も奪った国・東電の仕打ちを絶対に許すことができません」

 福島県の久保田仁県委員長は、怒りをこめて発言しました。

 「完全賠償をさせる会」が県内4カ所につくられ、郡山市で結成した「原発廃炉・暮らしと健康を守る市民の会」には、元県知事を顧問に商工会議所など幅広い、団体、個人が結集しています。

 「オール福島」の願いを国と東電にはっきりといえる共産党と、地域での運動体が共同する広がりが生まれています。「県議選でかかげた18歳以下の医療費無料化は10月から実施、いま全県民の医療費無料へと要求が広がっています」

 大飯原発再稼働を許さないたたかいが広がる福井県の南秀一県委員長は、「一点共闘の広がりについて私たちも大きな経験をしてきた」と語り出しました。

 3・11さよなら原発県民集会には、26人の学者や文化人がよびかけて1200人が参加し、さまざまな市民運動が広がるきっかけに。5月21日から連日の県庁前での座りこみ・宣伝には、青年が参加し創意ある活動をしています。

 南さんは、「幅広い国民の中に思い切って入り、切実な要求を掲げてたたかい、日本改革の展望を広く語るならば、日本共産党の前進、躍進をかちとりうる新しい情勢が生まれている」。北陸信越ブロックで議席を獲得する県党組織の責任を果たすことを誓いました。

 やはり、原発撤退、再稼働反対でこれまでにない層との共同が広がっていることを発言したのは、衆院比例北陸信越ブロックの藤野保史予定候補です。

 大飯原発があるおおい町の漁協との歴史的な懇談では真剣な悩みや模索が語られました。藤野さんは、党演説会では30代の大工さんが「自分たちはここに住みつづけていいのか」と悩みつつ「ここで原発をなくし、持続可能な社会をつくっていく」「その営みを共産党とともに」と応援演説をしてくれたことを紹介しました。

 藤野さんは「日本の原発が一番集中しているこの北陸信越が変わらなければならない、北陸信越が変われば日本が変わる、この確信を強くしています」。

 静岡県の山村糸子県委員長は、浜岡原発をめぐる運動が多彩に広がり、原発の危険のない静岡や日本をめざす地域の会が、20以上の市、区、町で生まれていることにふれつつ、「問題は、これらの動きにあらわれている県民のエネルギーを日本共産党への支持に結びつける私たちの努力が不足していることです」とのべ、「『特別期間』大成功へ全力疾走したい」と発言を結びました。

大阪が変われば日本が変わる

反動的逆流と正面対決

 橋下・「大阪維新の会」など反動的逆流にたいする本格的なたたかいが始まっています。

 近畿ブロックは160万票以上の得票、4議席獲得を掲げています。

 大阪府の山口勝利府委員長は、「橋下・『維新の会』との激戦を展開している大阪と近畿こそ、一番躍進の条件と可能性があると思います」と語り、次のように決意を表明しました。

 「『大阪が変われば全国が変わります』。それを橋下・『維新の会』に横取りさせるわけにはいかない。躍進の第1の時期も第2の時期も、大阪が、そして近畿が先頭にたったことを誇りに思う。第3の躍進の時期、民主連合政府へ向けたスタートを切る」

 「大阪市政改革プラン素案」撤回のたたかいが新たな局面をつくりだし、「維新の会」の市議の後援会長が「橋下市長がここまでひどいとは思わなかった」と怒り、大阪市音楽団廃止、文楽助成削減への批判と、利用者による手づくりの署名運動が広がっています。党の経済懇談会で日本商工連盟大阪地区代表世話人が、「政治的にきわめて危険な状態」「共産党は堂々と王道を歩んでもらいたい」と話したことにふれて、「橋下・『維新の会』とのたたかいが、党の日本改革論と響きあい、日本共産党こそもっとも頼りになる党だ、こういう信頼と評価につながっている」とのべました。

 衆院比例近畿ブロック・大阪4区予定候補の清水忠史さんも、このたたかいの先頭にたち、「町会長をまわっても、これまで保守ガチガチだったところでも、門前払いはありません。新たな共同が広がり、町会長自身が『赤旗』を購読してくれます」と報告し、拍手に包まれました。

 奈良地区の西本文子地区委員長は、奈良市長が、大阪市の職員基本条例を参考に任期中に条例をつくる姿勢を明らかにしたことに、次のようにたたかう決意を表明しました。

 「党市議団は議会で憲法違反の条例策定は、『断固撤回せよ』と迫り、市役所門前で全職員対象に、『赤旗』の橋下・『維新の会』批判の抜き刷り特集と、学習会の案内を配布するなどの取り組みを強め、職員に支持と共感を広げています」

自分を変え、社会を変える

国民・被災者の思いにこたえて

 討論で感銘を与えたのは、閉塞状態を抜け出す道を強く求めている国民の思いにこたえた活動をすすめるなかで、自分を変革して踏ん張る党員の姿です。

 名古屋市の保育支部の支部長の発言に、参加者は胸をうたれ、目頭をおさえました。

 不規則な勤務、支部会議は不定期で、会議に出ることが後回しになる。「半年前までこんなところ(全活)で発言するような支部ではなかった」といいます。

 「変わったのは自分です」

 東日本大震災の起こったさなかに、手術を受け、ベッドのなかで、日本共産党員が救援に奔走している姿を「赤旗」で知りました。

 「自分の命とも向き合いながら、元気になって動けるようになったら、自分もできることからやろう」と突き動かされ、退院後「私、支部長やります」と決意しました。

 「大運動」で職場や、保護者に入党を働きかけて党に迎えてきました。

 衆院千葉6区予定候補の三輪由美さん(前県議)を変えたきっかけも、東日本大震災です。

 4期目の県議選で落選し、「心身ともにバランスを崩した」という三輪さん。

  宮城県石巻市へボランティアに出かけ、ガレキの山に足を踏み入れたときに見たのは、アンパンマンのおもちゃや、売上伝票の束、引き裂かれたズボン…。「生 きたかった」「暮らしたかった」人たちの声なき声を聞き、叫びそうになりました。物資を届け、「ありがとう。ありがとう」と高齢者に念仏のようにいわれる なかで、「『あなたも頑張って』といわれた気がして胸がずきんとした。党員としての原点を呼び起こしていただいた」。

 放射能のホットスポットといわれる地元、松戸市に戻り、のべ3000人の住民と力をあわせた放射線量測定会や除染を求める活動を広げるきっかけとなりました。

 衆院比例北海道ブロックの畠山和也予定候補は、周りから「変わった」といわれているといいます。

 宮城県石巻市出身。「被災地をさらに苦しめる消費税増税や原発再稼働には、本当に腹が立っている」。柔和な印象の畠山さんが語気を強めて訴えると、「演説が変わった」といわれます。「本気で変えるし、本気で入党も訴えることが大事です」と、新鮮です。

 西日本の学生は、「強い意志をもって地域の原発訴訟の原告になること、福島から避難してこられた方を支援し続けることができます」と発言し、会場に拍手がおこりました。

 ここにいたるまでには、自身の気持ちの変化がありました。最初は震災・原発の問題ばかりがクローズアップされることに疑問を感じていました。福島からの避難者の話を聞き、原発問題などの根本に、アメリカ、財界いいなりという問題があると学んだことが転機となりました。

 もがきつつ自分を変え、社会を変えようとする姿が、周りの人たちの心にも“変化”をおこしています。

 

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