(1)
日々の仕事を通じて、職場と社会を支えている働く仲間のみなさんに、心からの感謝と敬意をお伝えします。
暮らしや働き方、今の日本と世界について、みなさんはどんな思いを持っているでしょうか。
「給料は上がらないのに物価はどんどん上がる」「家でも職場でも時間に追われ、パンク寸前」「教育費がかさみ、親の介護も不安」「日本がアメリカばかり見ているのはおかしい」――いま私たちに寄せられている声には、暮らしの悲鳴とともに、「この現状を変えたい」という願いがあふれています。
昨年の総選挙では、裏金問題にまったく反省のない自民党に、有権者の厳しい審判がくだされました。その大もとには、労働者の暮らしはそっちのけで、裏金づくりや軍拡にばかり熱中する自民党の政治全体にたいする怒りがあったのではないでしょうか。選挙では多くの政党が、最低賃金時給1500円への引き上げや男女賃金格差の是正、ケア労働者の待遇改善などをかかげました。衆議院で自民党・公明党が少数となった今、労働者・国民のたたかいの力で、切実な願いを一つひとつ実現していこうではありませんか。
同時に、労働者の要求を本格的に実現しようとすれば、「異常なアメリカいいなり」「財界・大企業中心」という、自民党政治の「2つのゆがみ」にぶつかります。日本共産党は、ここに正面からメスを入れ、自民党政治を大もとから変える「ホンモノの改革」を、労働者・国民と力を合わせて進める政党です。
安心とゆとりのある暮らしと、やりがいのある仕事を願っているみなさん。ぜひ日本共産党に入って、働く人が大切にされる日本をつくりませんか。あなたの入党を心からよびかけます。
(2)
なぜ必死に働いても生活が苦しく、将来の不安が尽きないのでしょうか。
労働者の実質賃金は、ピーク時の1996年から年間74万円も減少しています。人間らしい働き方を壊し、働く人の4割を非正規ワーカーに置き換えてきたこと、「社会保障のため」という名目で消費税増税がくりかえされてきたことが、暮らしと家計に大きな困難をもたらしています。
これは自然現象ではありません。一人ひとりの責任でもありません。「失われた30年」――長期にわたる日本経済の低迷と暮らしの困難は、自民党政治がつくりだした人災です。
財界は〝大企業がもうかれば、やがて労働者や中小企業にも恩恵が及ぶ〟といって、目先の利益を最優先に人件費をはじめコストカットを続けてきました。企業献金を受け取った自民党は、財界の求める政策をすすめ、国民の暮らしを犠牲にする政治を続けてきました。その結果、この30年で日本は「賃金が上がらない国」になり、一方で大企業の利益は16倍以上、株主への配当は10倍近くに増加しました。大企業の内部留保は539兆円にふくれ上がり、過去最大を更新しています。
この政治と経済のゆがみを正面からただす改革が必要です。大企業の内部留保を、賃上げと取引企業の単価引き上げにまわし、社会全体に還元させる。今こそここに切り込むことが、暮らしを良くし、経済の再生につながるのではないでしょうか。
日本共産党は、大企業の内部留保のうち「アベノミクス」以降に増加した分に5年限定で2%程度課税する賃上げ促進の政策を提案しています。賃上げ分を内部留保課税から控除することで大企業の賃上げを促進し、新たに得られる10兆円程度の税収で中小企業の賃上げを直接支援する提案です。
日本の労働者はヨーロッパに比べて年間300時間も長く働かされ、痛ましい過労死が今も大問題となっています。財界や個々の企業は、「賃上げか、時短か」の二者択一を迫ってきます。しかし、「賃上げも、時短も」――両方を求めることはぜいたくではなく正当な要求です。低賃金と長時間労働を働く人に押しつけ、命も家庭生活も犠牲にするやり方をやめてこそ、企業と産業の発展、ジェンダー平等に向けても希望がひらかれます。「賃上げも、時短も」という要求は、自然には実現しません。そもそも、資本の搾取によって労働者から奪われているものは何でしょうか。「お金」だけでなく「自由な時間」が奪われています。労働者のたたかいの力で、その両方を取り戻してこそ、ほんとうの「豊かさ」をえることができるのではないでしょうか。
労働時間を短縮して働く人の「生活時間」を増やすことは、労働組合運動でも大切な要求になっています。日本共産党は、働くみなさんと連帯し、労働時間短縮の世論と運動を大きく発展させます。残業時間や休日出勤の規制強化、有給休暇、傷病・看護休暇の拡充などとともに、「1日7時間、週35時間労働」を国の目標に定め、条件整備をすすめる「自由時間拡大推進法」の提案をしています。
日本共産党は、企業・団体献金を1円も受け取らず、300回を超える国会追及で「サービス残業」の是正をすすめるなど、職場の声で政治を動かす立場をつらぬいてきた「労働者階級の党」(規約第2条)です。働くみなさんにこの党に加わっていただくことが、日本社会を変える大きな力となります。ぜひ、「財界・大企業中心」の政治のゆがみをただし、労働者の暮らしと権利を守る「社会的ルール」をつくるために、一緒に力を合わせませんか。
(3)
今年は戦後80年の年です。
日本がおこなった過去の侵略戦争と植民地支配には、多くの労働者が動員されました。他国の人々を踏みにじった戦争は、それに加担させられた労働者の誇りも尊厳も根こそぎ奪うものでした。戦後、「教え子を再び戦場に送らない」「白衣を戦場の血で汚さない」「二度と赤紙(召集令状)を配らない」「平和あっての建設産業」という痛苦の誓いが、日本の戦後の労働組合運動の原点となり、平和憲法を守る力となってきました。
労働者が戦争に組み込まれる問題は、過去の出来事ではすまされない、現在進行形の問題です。自民党政府は、戦争法=安保法制のもとで「戦争する国」づくりに突き進んでいます。「知らないうちに兵器の部品製造をさせられるのでは」「自分が点検した道路が軍用機の滑走路になりかねない」――政府が「経済安保」の名で国民の知る権利やプライバシーを侵害する危険が高まるもとで、労働者の不安が増しています。
影響を受けるのは一部の職場だけにとどまりません。政府が閣議決定を強行した「安保3文書」にもとづいて、5年間で43兆円という前代未聞の大軍拡がすすめられようとしています。かつての戦時下に匹敵する異常なペースの一方で、暮らしや社会保障のための予算は〝財源がないから〟と軒並み抑えられています。
「日本を守るためには仕方がないのでは」という声を耳にすることもあるかもしれません。しかし、いま多額の税金をそそいでいるのは、他国への攻撃を可能とする長射程ミサイルが中心です。これでは「日本を守る」どころか、米軍と一体になって外国を攻撃するための戦争の準備にほかなりません。日本が軍拡を進めれば、他国も軍拡を加速し、軍事対軍事の悪循環に陥ってしまう。これが一番危険な道ではないでしょうか。
これらの震源地はアメリカです。日米軍事同盟によって、世界でも異常な「アメリカいいなり」の体制がつくられ、今なお抜け出せていないことに根源があります。
私たちは、米軍基地の異常な特権をなくす、大軍拡の中止、核兵器禁止条約への参加など、平和のための緊急の課題を解決するために力を尽くします。憲法9条を生かした平和外交の力で東アジアを戦争の心配のない地域に変える「東アジア平和提言」を提唱し、世界に働きかけています。
同時に、日本共産党は、「アメリカいいなり」の根本にある日米安保条約を、国民多数の合意で解消し、対等・平等の日米関係への大変革を進めることを、綱領の大方針にしています。対等・平等でこそ、日米両国民の本当の友情をつくることができる。これが日本共産党の信念です。
世界の流れは軍事同盟に頼らずに、対話と包摂で平和をつくる流れが本流となっています。日本もこの流れに参加しようではありませんか。ほんとうの独立国といえる日本をつくりましょう。
(4)
「共産党はいい活動をしているけど、党名が気になる」「共産主義には自由がないのでは」と思っている方も少なくないかもしれません。
では、資本主義社会は本当に自由を保障しているでしょうか。職業選択の自由や言論・表現・集会の自由など、資本主義のもとでさまざまな自由が広がってきましたが、非正規雇用しか選べず、職場でモノが言えないといった現実もあるのではないでしょうか。世界的規模での貧富の格差の拡大と気候変動が大問題になっています。どちらも資本主義の「もうけ第一主義」がもたらした大災害です。人類の生存の自由を深刻に脅かしているのではないでしょうか。
この矛盾と苦しみに満ちた資本主義が、人類の到達した最後の社会でしょうか。私たちはそうは思いません。人類は資本主義をのりこえて、その先の未来社会――社会主義・共産主義に進む力を持っている。これが私たちの確信です。
私たちのめざす社会主義・共産主義とは、一言でいって、「人間の自由」があらゆる意味で豊かに保障され、開花する社会です。搾取の廃止によって、人間は「もうけ第一主義」から解放され、貧困と格差、環境破壊から自由になります。そして、労働時間がうんと短くなり、すべての人が「自由に処分(利用)できる時間」を取り戻し、だれもが自分の潜在的な力を自由に全面的に発展できる――これこそ私たちがめざす未来社会の最大の特徴です。
日本では発達した資本主義という土台のうえに、こうした未来社会をつくることができます。それは、高度な生産力、経済を社会的に規制・管理するしくみ、国民の生活と権利を守るルール、自由と民主主義の諸制度、人間の豊かな個性など、資本主義の中でつくられてきた価値あるものをすべて引き継ぎ、発展・開花させた社会になります。旧ソ連や中国ではこれらが不十分な状態から出発し、指導者の誤りがあいまって、「自由」に逆行する現象が生まれました。発達した資本主義を土台とする改革では、こうした誤りは決して起こることはありません。
労働時間短縮のルールも、資本主義社会での労働者のたたかいによってつくられ、発展してきました。私たちの大先輩のマルクスは、同時代を生きたイギリス労働者が「半世紀におよぶ内乱」をつうじてかちとった労働時間短縮のたたかいを深く研究し、連帯して、「人間の自由」を最大の特徴とした社会主義・共産主義の理論を築いていきました。先人たちのたたかいに学び、今日の日本に生かしていこうではありませんか。
(5)
「働きながら政党に入る意味は?」「外から応援するだけではだめなの?」という思いもあるかもしれません。
本来、人間の労働は、自分だけの力ではなく、ほかの労働者と協力しておこなう営みです。ところが、資本主義の社会では、とりわけ「失われた30年」といわれる新自由主義の横行のもとでは、働く仲間どうしが競争と分断、対立を強いられ、労働条件も仕事の中身も「自己責任」だという議論が押し付けられてきました。そこには、財界・大企業が最も恐れる労働者の団結の力を弱めるよこしまな狙いがあります。その結果、職場で一人ひとりがバラバラにされ、差別やハラスメントが横行し、労働者を育てる機能が損なわれて、職場や産業の未来が危ぶまれる事態も起きています。分断と対立の押し付けに対して、労働者・国民の社会的連帯でこたえようではありませんか。
そうした状況のもとで、職場で日本共産党はかけがえのない役割を果たしています。「子どもに寄り添う教育をしていて尊敬している先生は、多くが共産党員だった」「病院側から『体制が厳しいので入浴補助を減らす』と提案されたとき、そこに党員がいれば、『私たちの仕事はいい医療・介護を提供するためにあるのではないか。何ができるか考えよう』と問いかけ、行動することができる」――困難を個人の問題にせず、政治と社会の中でとらえ、そこに立ち向かう日本共産党員がいることは、職場と社会にとっての希望です。
日本共産党員が職場の中で増えてこそ、労働者の立場にたって頑張る階級的・民主的な労働運動をつよめ、政治を変える力も大きくなります。
(6)
日本共産党に入党したら、①週1回の支部会議に参加すること②実収入の1%の党費を納めること③「しんぶん赤旗」日刊紙を読むこと④学習をつよめ活動に参加すること――を大切にし、それぞれの得手を生かして活動します。
「忙しくて参加できるか自信がない」という方にも、一人ひとりの条件をふまえた活動を工夫しています。また、ぜひお伝えしたいのは、「自由な時間」の獲得は労働者の解放の「先決条件」だという、マルクスが労働者に贈った言葉です。労働者が、自らの豊かな知的・精神的な成長をはぐくみ、労働組合や政治運動などの社会的活動に参加するためには、たたかいによって「自由な時間」をかちとることが必要だ――これが私たちの大先輩が訴えたことでした。
「支部会議で本音を話せるから、明日も職場で頑張ろうと思える」「ひとりではないと勇気が湧く」――仕事や生活に悩みながら頑張っているあなたにこそ、どうかこの党に入っていただきたいのです。自分自身の初心を支える指針と、同じ志で励ましあう仲間に出会うことができます。あなたの入党を心からよびかけます。