全国都道府県委員長会議
志位委員長の結語
2022年11月3日
「特別期間」の目標総達成の展望が見え、決意が固まった会議となった
みなさん、お疲れさまでした。常任幹部会を代表して討論の結語を行います。
この会議では27人の同志が発言をしました。幹部会報告を正面から受け止めた、真剣で充実した討論が行われたと思います。発言を聞いておりまして、多くの同志が、ただ単に決意を語るだけではなくて、自らの姿勢、自らの活動の弱点への自己分析を率直に行いながら、決意を語ったことは、たいへんに重要だったと思います。
全国での視聴は、党内通信の視聴者数で7194人、党ホームページ・ユーチューブの接続数で1万286人で、リアルタイム視聴の合計は1万7480人となりました。録画の視聴は午後3時現在で1万2000回となっています。都道府県委員長会議の視聴の規模としては、かなり大きなものとなっており、全党の注目と決意がここにも示されているのではないかと思います。
全国から226通の感想文が寄せられておりますが、幹部会報告は、全体としてきわめて積極的に受け止められています。
この会議は、「特別期間」の目標を総達成する展望が見え、決意が固まった会議となったと思います。みなさん、会議の成果を生かして、「特別期間」を必ず成功させようではありませんか。
幹部会決定を全党のものに――「腹をくくる」「展望をつかむ」の両面で努力を
昨日、(11月)2日の幹部会の決定は、統一地方選挙の勝利・前進はもとより、「強く大きな党づくり」という大事業を前進させるうえで、中央委員会総会決定に準ずる非常に重要な決定となりました。この決定を全党のものとするうえで、次の二つの面をつかんだ奮闘が重要であります。
第一は、「特別期間」に「どういう基本姿勢でのぞむか」ということについて、党機関の徹底した議論によって、「腹をくくる」ということであります。
第二は、「特別期間」で「どうすれば飛躍できるか」ということについて、かかえている悩みやぶつかっている困難を率直に出し合いながら、「展望をつかむ」ということであります。
「腹をくくる」「展望をつかむ」――両面での努力が重要であります。そのことは討論でも深められました。
次期党大会までに「130%の党」を――「腹をくくる」まで徹底的に議論して実践を
第一の、「特別期間」に「どういう基本姿勢でのぞむか」について、幹部会報告では、6中総決定をふまえて、「党づくりの遅れの抜本的打開」という角度、「統一地方選挙勝利・前進」という角度――この二つの角度から明らかにしました。
「特別期間」の意義を党づくりの大きな展望のなかに位置づけた
そのなかで、幹部会報告では、「第28回党大会時比で130%の党をつくる」という目標を、2024年1月の第29回党大会までに必ず達成しよう、その第一歩として「特別期間」の目標を必ずやりぬこうという幹部会決定の実践を訴えたわけですが、この訴えについて、深く受け止め、実践に踏み出す決意がたくさん語られました。これは「特別期間」の意義を党づくりのより大きな展望の中に位置づけ、大きくバージョンアップしたものであって、たいへんに重要な決定であります。
全国から寄せられた感想のなかに、「『特別期間』の意義が、第28回党大会の党建設目標を第29回党大会までにやりあげる第一歩として位置づけられ、その力で統一地方選挙で前進を勝ち取り、新たな党躍進の流れをつくっていくという大きな流れの中でつかめてワクワクした」という感想がありました。ワクワクして受け止めた。大志とロマンをもって受け止めたということだと思います。たいへんに大事な受け止めだと思います。
中央としても反省を込めて提起したもの
同時に「130%の党」をつくろうという提起に対して、討論の中で多くの同志が、「ハッと気づかされた」、「この目標を横に置いていた」などと、率直な反省を込めて語り、積極的に受け止め、挑戦していきたいという決意を語ったことは重要であります。
実はこの提起は、私たち中央としても反省を込めて提起したものです。8月はじめの6中総で、次期党大会の招集の延期を決定した段階で、「130%の党」という目標をいつまでにやるのかは、私は、中央として、真剣に検討してしかるべきだったと考えております。そういう真剣な検討を、8月はじめの段階でやったとは言えませんでした。6中総では、党大会第二決議(党建設)にもとづく活動をやろうと、あれだけ強調しながら、第二決議が掲げた肝心の「130%の党」という目標については、私たち自身も横に置いていた。ここには目標は決めるが責任を負わない、負い切らない惰性が、私たち自身の中にもありました。それでは大会決定への責任を果たすことにはならない。そうした議論を常任幹部会でも突っ込んで行い、昨日の幹部会でも行い、この方針を決定したというのが経過であります。
ですから、この「130%の党」をつくろうという方針を、それぞれの党機関で徹底的に討論してほしいのです。目標は決めるが責任は負わないということでは、この現状を打開できません。本当にやるのか、本当にやれるのか、一体どうやるのか、時間をかけてでも議論する、そして一回ではなく実践しつつ何度でも議論をして、本当に「腹をくくる」まで議論をして目標達成に挑む、そのことを心から訴えたいと思います。
飛躍のための三つのカギ――悩みや困難も率直に出し合って、具体化していこう
第二に、「特別期間」で、「どうすれば飛躍できるか」について、幹部会報告では、飛躍のための三つのカギを提起しました。
第一は、6中総決定と日本共産党創立100周年記念講演を政治的推進力として生かしぬく。
第二は、思い切って広い人々に働きかけて第一課題――党勢拡大での飛躍をつくる。
第三は、第一課題(党勢拡大)と、第二課題(選挙活動)、第三課題(要求運動)を一体的に推進する。
この三つのカギの内容は、私たちが頭の中で考え出したものではありません。全国のみなさんが苦労してつくりあげたすぐれた経験に学び、寄せられた悩み、ぶつかっている困難にこたえるという見地でまとめたものであります。
ですからこの内容を討論し、具体化するさいにも、すぐれた経験をお互いに出し合って学び合うとともに、ぶつかっている悩みや困難も率直に出し合って、それをどうやって打開していったらいいのかを、納得のいくまで、そして展望がつかめるまで議論し、具体化していってほしいと思います。
全国から寄せられた感想から、こうしたものがありました。
「(幹部会報告の)一つ一つの提起は、現場の状況とかみ合っている。『よしやろう』と、この報告を聞いた支部指導部が受け止めるだろう。あとは具体的に足を踏み出せるよう、背中を押す指導と援助が現場で求められる」
「具体的に足を踏み出せるよう、背中を押す指導と援助」――これをやり切って、この運動をすべての支部、すべての党員の運動に広げていこうではありませんか。
民青同盟の大奮闘――根本には若者のなかで起こっている変化がある
討論の中では、世代的継承について、民青同盟の大奮闘が全党の大きな希望になっていることが、たくさん語られました。
「民青同盟がつくっている加盟の呼びかけ文の冒頭に『相談相手は、日本共産党です』ということが書いてある。このことが若者に違和感なく、逆に安心して受け止められ、加盟してきている。情勢の大きな変化を感じる」。こういう発言もありました。
いま、民青同盟で起こっている大きな変化というのは、偶然のものではないと思います。その根本には、若者の中で起こっている変化があると思います。いまの政治のもとで、生活が苦しい。未来が見えない。平和の心配がある。ジェンダーの問題でも悩みがある。気候危機が不安だ。そうした思いをつのらせている若者の変化がある。そして日本共産党に対して偏見を持っていない。そういう状況を反映していると思うのです。民青同盟の大奮闘を大きく実らせるために、みんなで力を合わせようということを重ねて訴えたいと思います。
世代間で互いに敬意をもち、力をあわせて、世代的継承の事業をやり抜こう
同時に、討論の中で、1960年代、70年代に入党して今日まで頑張ってきた同志が、立派な党をつくって、若い世代、未来の世代にしっかり手渡そうという幹部会報告の提起に、多くの同志たちから、「私たちの世代の責任を果たそう」という発言が寄せられたこともたいへんに重要でありました。全国からの感想でも、この感想が大変に多く寄せられました。この世代が、もうひと働き、大きな働きをして、責任を果たし、未来につなげていこうという決意がたくさん語られているのは、本当に心強いことであります。
そして討論の中で、真ん中世代の県委員長から、「この提起は自分たちの世代にとっても涙が出るほどうれしい提起だ。そういうふうに先輩たちが頑張るんだったら、自分たちも負けないで頑張りたい」という発言があったのも、頼もしいことでした。
若い世代が大奮闘している。そしてわれわれの世代も大奮闘する。真ん中世代も負けずに頑張る。
日本共産党は世代間で対立のある他の党とは違います。世代間で互いに敬意をもち、激励しあい、力をあわせて、世代的継承の事業をやり抜こうではありませんか。
党勢を後退から抜本的前進に転じた時期として、党史に残る大奮闘を
会議の成功の成否は、実践で試されます。11月、12月、「国政選挙を一回たたかう」という構えで、特別の臨戦態勢をとって、この方針を必ずやり抜くことを、重ねて訴えます。11月、12月を、統一地方選挙勝利に道をひらき、第29回党大会成功に道をひらき、わが党の党勢を後退から抜本的前進へと転じた時期として、党史に残るような大奮闘をしようではありませんか。
討論でも、感想でも、「いま求められる『不屈性』とは何か」という幹部会報告の提起に、「心をうたれた」「この見地で頑張りたい」など、たくさんの共感の感想が寄せられました。いまは、戦前のような弾圧や迫害によって命を落とす状況ではないけれど、違った困難に直面している。いま求められる「不屈性」とは、「強く大きな党」をつくるための長期にわたる粘り強い努力の中でこそ発揮されなければならない。これをお互い胸に刻んで頑張りたいと思います。
「いっさいの惰性を克服して前進しよう」――合言葉に頑張りぬこう
そして、討論の中で出された一つの言葉――これを私は、最後に引いて、結びにしたいと思います。
1959年8月1日の第7回党大会・第6回中央委員会総会の決定――「党を拡大強化するために全党の同志におくる手紙」の中の一節であります。この手紙の中には、さまざまな印象的な訴えがありますけれども、なかでもこの一節は、先人たちの党建設への深い決意が込められたものとして、いま読んでも私たちの胸を打つものです。
「わが党は、五〇年来のさまざまな波乱と困難のなかで、数万の党という現状に、事実上、わるく慣れて、党の拡大の意識的計画的努力に欠ける状態を久しくつづけてきた。......いまこそ、事実上、数万の党に安んずるようないっさいの惰性を克服して前進しようではないか」
「いっさいの惰性を克服して前進しよう」――この手紙のこの一文からこの中央委員会総会にはじまる1960年代の党勢拡大の前進が開始され、70年代の日本共産党の躍進へとつながっていったのであります。
私たちもいま、「いっさいの惰性を克服して前進しよう」ということを合言葉に頑張りたいと思うんです。
長期にわたって、客観的情勢の困難もあったけれども、残念ながら党勢の後退が続いてきました。そうしたもとで、後退に慣れてしまう。後退しても痛みに感じない。目標を決めても責任を負い切らない。こういういっさいの惰性をわれわれはいま、吹っ切って、抜本的前進に転じようではありませんか。
そういう気構えで「特別期間」を必ず成功させることを誓い合いまして、討論の結語といたします。ともに頑張りましょう。