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市民 輝く 東京・狛江矢野ゆたか市長の2期8年間 (5)財政再建と住民サービス両立 |
狛江市「市長と語る会」 |
前市政時代につくった莫大(ばくだい)な借金を抱えながらも、市民のためのさまざまな施策を展開し、遅れを取り戻すだけではなく、乳幼児医療費無料化など都内の他市と比べてもトップレベルの制度を築いてきた矢野市政。
都内の民主党元地方議員は、「どの自治体も財政が厳しい中、矢野市長はよくやっていると思う。市民サービスの政策は好評だし、市役所の職員の対応もいい。狛江からは悪い話は聞こえてこない」と評価します。
その秘密は、七万七千市民の利益の立場で、公正な市政運営をし、税金の使い方を前市政の開発優先から、くらし最優先に切り替えたことにありました。
前市政が借金をつくった最大の原因は、開発優先で大型土木事業を集中したためでした。八九年度は四十五億円だった土木費は、九二年度には六十九億円、九五年度にはついに同市の一年間の市税収入額に匹敵する百八億円になりました。土木費が予算に占める割合は、都内の市の中で最高でした。
その結果、市の借金は急増し、前市政の最後の四年間だけで、一般会計の借金は百四億円から二百十八億円に倍増。前市政が最後に編成した九六年度予算では、二百三十九億円にまでふくらみました。
矢野市政は、開発優先にメスを入れ、予算の主役を福祉に切り替え、市民のくらしを守る財源をつくり出しました。
前市政は最後の四年間、毎年新たに三十五億円の借金をしながら返済は十三億円という実態でした。矢野市政は、借金と返済の額を逆転させました。毎年の新たな借金は、政府の責任によるものを含めても前市政の半分以下に減らし、返済を二倍に増やすことで、財政再建に道を開きました。
こうした努力を積み重ねた結果、下水道会計なども含めた市の借金総額は、前市政最後の三百十六億円が、国の責任分の臨時対策債を加えても今年度末は三百三億円になる見込みです。矢野市長は、前市政の借金倍増路線にストップをかけ、将来への負担を着実に減らしてきています。
しかも、財政再建の努力と住民サービス拡充を両立して進めています。矢野市政になって公共工事の市内業者への発注率は、前市政と比べ二倍以上に拡大。市内業者優先を貫く矢野市政は、工事全体は半減しても、市内業者への仕事発注は、ほぼ維持しています。
矢野市政は、市民サービスの充実のために、経費削減や内部努力を積極的に進め、新たな財源を確保しています。市長交際費や市長退職金は、都内他市の中で最低額に圧縮、職員の協力も得て人件費を抑制。今年度は、市長自ら18%カットをはじめ、給与の削減で新たに二億円の財源を生み出しました。
小泉内閣の地方財源カットに、全国の自治体から「これでは予算が組めない」という声が上がりました。狛江市でも、地方交付税や補助金の削減で、今年度は実質三億五千万円の削減になります。
矢野市長は三月、政府に対し財源確保を求める要望書を提出、全国の市長会などと力を合わせて国に改善を迫っています。同時に、人件費の削減など徹底した内部努力を推進。既存の送迎バスを活用した市内循環福祉バスや、隣接市と協力して行う準夜間小児救急医療など、工夫を重ねています。
矢野市政は、市民とともに財政難を乗り越え、「市民を応援する市役所」の役割を守るために全力をつくしています。
(2004年5月1日()「しんぶん赤旗」より)