Q そもそも「秘密保護法案」は必要ですか?
A まったく必要ありません。「秘密保護法案」の狙いは、アメリカ政府の要求にこたえて日本国民の目・耳・口をふさいで「海外で戦争する国」づくりを進めることにあるからです。
最高刑が死刑に
戦争は、「秘密保護」と国民弾圧の法規で準備されてきた歴史があります。戦前の絶対主義的天皇制国家は、日清戦争(1894~95年)、日露戦争(1904~05年)に前後して軍事機密(軍機)を隠す法制をつくりました。
軍機保護法(1899年)は「軍事上秘密を要する事項または図書物件」の探知・収集や秘密の漏えいなどを懲役15年以下で罰するものでした。1937年の日中全面戦争下で最高刑が死刑・無期に引き上げられ、予備・陰謀、誘惑・扇動などの行為も処罰対象としました。
天皇制国家は、とくに日本共産党の主権在民と反戦平和の主張を弾圧するため、1925年に治安維持法(懲役10年以下)をつくり、緊急勅令(28年)で最高刑を死刑に引き上げ、さまざまな口実で国民を弾圧していきました。
41年の太平洋戦争開戦前には、「国家機密」の範囲を外交、財政、経済などに拡大した国防保安法(最高刑は死刑)をつくり、治安維持法に「予防拘禁」制度を加え、「秘密保護」と国民弾圧の体制を強化しました。太平洋戦争開戦日の12月8日には、札幌で北海道帝国大学の学生が、大学教員の米国人夫妻に旅行先の見聞を語っただけで軍機保護法違反で逮捕される悲劇が生まれました。戦後、釈放された学生は27歳で病死しました。えん罪事件の真相解明、名誉回復のたたかいが現在も続いています。
国民運動で阻止
戦後、治安維持法や軍機保護法、国防保安法は廃止されました。日本国憲法が侵略戦争の反省をふまえ、国民主権や基本的人権、平和主義を「人類普遍の原理」とし「これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」(前文)と宣言しているのもそのためです。
1980年代半ばに自民党議員が国会に提出した「国家機密法案」(最高刑は死刑)に対して国民は大々的な反対運動を展開し、廃案に追い込みました。憲法違反の「秘密保護法案」は絶対に阻止しなければなりません。
(おわり)
(2013年10月18日)