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(写真)オスプレイ配備撤回を求めてガンバローをする「ノーオスプレイ東京集会」の参加者=27日、東京・日比谷野外音楽堂(記事を読む)
安倍自公政権発足―生活保護改悪
安倍・自公政権が発足し、社会保障でまずやろうとしているのは、国が全ての国民に保障すべき国民生活の最低ラインを引き下げる生活保護基準の引き下げです。
安倍政権の「15カ月予算」では、軍事費を2500億円も増やす一方で、生活保護の基準を切り下げ、生活保護費を671億円減らします。生活保護基準の引き下げは、国民全体の生活水準にかかわります。最低賃金は、生活保護を下回らない水準になるよう配慮すべきだとされています。生活保護の水準が下がれば、賃金水準が変わらなくても生活保護基準を上回る事態が生まれ、最低賃金が低いまま放置されかねません。小中学生の給食費や教材費を支給する就学援助が受けられなくなる世帯が生じるなど、ほかの多くの社会保障制度にも影響します。
さらに、安倍政権は、今国会に生活保護改悪法案を出し、生活保護をいっそう利用しにくくすることをねらっています。軍事費を増やして、「国民の生命・財産は断固として守りぬく」(所信表明演説)という安倍首相ですが、生活保護改悪は、間違いなく餓死、孤立死を増大させます。
「赤旗」では、生活保護基準引き下げが根拠に欠けること、与える影響などを詳しく報道。国民生活の最低保障の引き下げを許さない論陣を張っています。(紙面を見る、 1月15日20日)
介護改悪メニュー
生活保護の改悪は、社会保障全体の改悪の突破口です。
自公民3党は、税と社会保障の「一体改革」をすすめるとして、政権交代で中断していた「社会保障制度改革国民会議」での議論を再開しました。議題は、医療と介護の保険のきく範囲を狭めることです。介護ではすでに、具体的な改悪メニューが出され、来年の通常国会に法案提出の方針です。(紙面を見る1月24、25日)
社会保障改悪にすすむ安倍政権ですが、引き下げの実施時期は参院選後に遅らせようとしています。国民の批判を恐れるからです。
安倍内閣の教育「再生」は…
安倍首相は、第1次安倍内閣のときに続いて「教育再生実行会議」を発足させました。
会議のメンバーには、日本の侵略戦争を肯定する「新しい歴史教科書をつくる会」元会長の八木秀次氏、愛媛県知事として「つくる会」教科書を県立学校で採択した加戸守行氏、沖縄戦で集団自決強要はなかったとする曽野綾子氏、改悪教育基本法に「愛国心」を盛り込むことを主張した全日本教職員連盟の委員長の河野達信氏、「国を愛し」「自衛隊支援協力を目的とする」全国防衛協会連合会の会長で、軍需産業の立場から武器輸出三原則の見直しや改憲論議を求めている佃和夫・三菱重工会長、戦後民主教育は「自由と権利ばかり強調されて、義務や責任が十分に教えられていない」とする塾経営者の佐々木喜一氏などが名を連ねます。
安倍・自民党は選挙公約で「不適切な性教育やジェンダーフリー教育、自虐史観偏向教育等は行わせません」とし、「多くの教科書に、いまだに自虐史観に立つなど、偏向した記述が存在します」として教科書検定制度を変えるなど、教育内容に露骨に介入しようとしています。教育再生実行会議は、最初のテーマを「いじめ問題」としていますが、今後の議論には大きな懸念がもたれます。
自衛隊増強、海外での日米共同作戦体制強化へ
安倍政権は、民主党政権下で失われた日米同盟の絆を取り戻すとして、発足早々、自衛隊の増強、海外での日米共同作戦体制強化のための具体策に矢継ぎ早に乗り出しています。
1月25日には、米国のアジア太平洋重視の新国防戦略に呼応するため、軍事力の整備指針である「防衛計画の大綱」とそれに基づく「中期防衛力整備計画」の見直しを閣議決定。29日に決定した2013年度政府予算案では、軍事費を400億円増額させました。
すでに日米間では、日本の役割拡大を求める米国の新国防戦略のもと、「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)の見直し作業を開始(1月17日)。自衛隊の海外での武力行使を可能にするため、集団的自衛権行使に関する政府解釈を見直す有識者懇談会も2月8日に会合を開くなど動き出しています。「赤旗」はこれら一連の動きを詳しく報じ、その背景や狙いなどを解説した記事も適宜掲載しています。
政府・自民党は、アルジェリアでの人質事件を利用して、外国での「邦人救出」を口実に自衛隊の派遣要件や武器使用基準を緩和する自衛隊法改悪を狙っています。「赤旗」は、かつて政府も騒乱状態のなかで自衛隊が邦人救出を行えば、かえって邦人を危険にさらすと国会答弁していたことなどを指摘し、警鐘を鳴らす企画記事を掲載しました。
1月下旬、米軍の新型機オスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、「県内移設」反対を求め、沖縄県内全41市町村の全首長、議会議長、県議など144人が上京し、都内での集会・デモ行進(記事を読む)、安倍首相をはじめ外務・防衛両大臣などへの「建白書」提出に取り組み(記事を読む)、 復帰後最大規模の直訴行動となりました。「赤旗」はこうした「オール沖縄」の切実な声を伝えるため、本土メディアのなかで最も詳しく、大きく報じました。オスプレイの問題では、空軍用CVの沖縄・嘉手納基地への配備計画を暴露・告発しました(記事を読む)。