2003年1月19日(日)「しんぶん赤旗」
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【ワシントン17日遠藤誠二】国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)によるイラク査察報告が提出される二十七日を控えて国際情勢が緊迫する中、対イラク戦争に反対する大規模な行動が、十八日から首都ワシントンはじめ全米各地で始まりました。米国黒人解放運動指導者、故マーティン・ルーサー・キング牧師の記念日(十八日)にあわせて取り組まれ、二十日までつづけておこなわれます。アジア、欧州の三十以上の国でも連携した取り組みがおこなわれています。
アメリカ |
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米国での行動の主催者は、キャンペーン連合体の「国際ANSWER」(戦争停止と人種差別終結を今こそ)や平和のための連合(UFP)、戦争なしの勝利(WWW)などの組織。全米四十七以上の州から数百団体が参加しています。
トム・クルーズ主演の映画「七月四日に生まれて」の原作者でベトナム戦争退役兵ロン・コビック氏は、十七日のANSWERの記者会見に参加。「政権は米国民にむけた政策は何一つやらず、戦争と中東の支配、石油の強奪にむけ準備を急いでいる。この運動は、単に一つの戦争をやめさせるだけでなく、(戦争につきすすむ)政権の優先課題を変えさせるという目的を持つ。われわれが歴史をつくらなければいけない」と訴えました。
韓国 |
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韓国・ソウルでは十八日、女子中学生れき殺事件に抗議する連日のろうそくデモで「イラク戦争反対」のスローガンが掲げられました。集会の主催団体の一つ「女性平和ネットワーク」は、「世界のイラク戦争反対の流れとともに、韓国でも反戦の機運を高めよう」と呼びかけました。
パキスタン ロシア シリア |
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パキスタン北東部ラワルピンディでは、小中学校生を含む数千人が「人間の鎖」をつくり、対イラク攻撃の構えを強める米国を非難しました。同国のカラチ、パンジャブ州ムルタンでも反戦集会が行われました。
ロシアの首都モスクワでも米大使館前で抗議の集会が行われ、数百人が参加、米国のイラク攻撃準備に抗議の声をあげました。
イラクの隣国シリアの首都ダマスカスでも米国とイスラエルに抗議するデモに、数千人が集まりました。
バーレーン |
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【カイロ17日小泉大介】ペルシャ湾中部の島国バーレーン(人口約七十万)の首都マナマで十七日、米国のイラク攻撃に反対するデモがおこなわれ、千五百人以上が参加しました。イラク戦争反対を掲げたデモとしては過去最大規模です。
参加者は「われわれは米英連合によるイラク攻撃を非難する」「イスラムの国に米国の軍事施設はいらない」などと書かれた幕をかかげ、市内を行進。参加者は、政府にたいして、サウジアラビアと同じように、イラク戦争の際の米軍への基地提供を拒否するよう求めました。バーレーンは、米海軍の第五艦隊の司令部が置かれ、米軍の対イラク作戦の重要拠点です。
エジプト |
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エジプトの首都カイロでは米国のイラク攻撃計画に抗議する集会が行われ、約千人がエジプト政府に米英艦船にスエズ運河を使用させないよう要求しました。
フランスや英国、ドイツなど欧州各国でも十八日、イラク攻撃に反対して市民らがデモを行いました。
イギリス フランス |
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英国では首都ロンドンのほか、バーミンガム、マンチェスター、ノッティンガムでデモが行われたほか、ロンドン北西部ノースウッドの軍司令部周辺で抗議行動が展開されました。
フランスでは社会党や共産党をはじめとする政党や、労組、平和団体など約四十組織がデモを呼び掛け、首都パリなど全国四十都市でデモを繰り広げました。
日本 |
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「もう戦争はいらない 私たちはイラク攻撃に反対します」――。十八日午後、東京都千代田区日比谷公園で、世界のピースアクションに呼応する「ワールド・ピース・ナウ1・18」が開かれ、ピースコンサートや、ピースパレード、集会に約七千人が参加しました。NGOなどの団体、インターネットなどを見て参加してきた個人、多くの外国人の姿も。
パレードは日比谷公園から銀座へ。ブッシュ米大統領のお面をかぶった学生グループ。「メディアは戦争プロパガンダに加担するな」のゼッケン。「ワールド・ピース・ナウ」をハートで囲んだプラカード。参加者はジョン・レノンの「ギブ・ピース・ア・チャンス」をうたい、「ワールド・ピース、ワールド・ピース。みなさん一緒に歩きませんか」と沿道の人に呼びかけました。
「実行委員会のホームページを見てきた」というさいたま市の会社員、園田誠一郎さん(26)は「若い人以外にもいろんな人がいてびっくりしました。予想外です」といい、沿道からデモに加わりました。「もうじっとしてはいられない」と、初めてデモに参加した板橋区のクリスチャンの女性(50)は、「命を奪う戦争は許せません。悔いが残らないよう行動したい」と語りました。