日本共産党

2003年1月20日(月)「しんぶん赤旗」

みんなが平和求めてる

イラク攻撃許すな 世界を走る


フランス

全土で20万人がデモ

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18日、パリで行われたイラク戦争反対デモ(浅田信幸撮影)

 【パリ18日浅田信幸】フランスでは十八日、約五十都市で「イラク戦争反対」のデモが繰り広げられ、参加者数(主催者発表)は、パリ二万人、マルセイユ一万人、リヨン四千人、ボルドー二千五百人など、全体で二十万人に達しました。

 主要な平和団体である平和運動全国評議会のビヤール共同議長はこの日の成功が次の「二月十五日の大全国デモを成功させる跳躍台になる」と評価し、さらに活動を広げる決意を述べました。

 今回のデモは、平和運動全国評議会や「戦争反対行動」など平和団体、社会党、仏共産党、労働総同盟(CGT)を含む約四十の組織が共同で呼びかけたもの。各地で「対イラク戦争にノン 正義、平和、民主主義の世界にウイ」のスローガンが掲げられました。

 共同アピールはフランス政府に対して「戦争へのいかなる関与も兵たん支援も拒否すること」、国連安保理に武力行使容認決議案が提出された場合は「拒否権を行使すること」を求めています。

 パリのデモ隊はモンパルナス駅前から国民議会議事堂近くまで行進しました。白旗を掲げた一団にいた男性ジャン・エレミさんは「白旗は『われわれはたたかわない』という意味。戦争は阻止できる。フランスでは一貫して圧倒的多数の世論が反対だし、政府に外交的努力を尽くすと言わせる力をもった。圧力をかけ続けることが必要だ」と語りました。

イギリス

無実の市民殺傷するな

 【ロンドン18日田中靖宏】イラク戦争に反対する反戦行動が十八日、英国各地でおこなわれ、約一万人が参加しました。BBC放送によると、デモの参加者はリバプールで二千五百人、ブラッドフォードで二千人、カーディフで千五百人(いずれも警察発表)など、地方都市でこれまでにない規模になりました。

 二月十五日の欧州行動を目指して準備をすすめているロンドンでは十八日の統一行動は準備されませんでしたが、平和運動家で前下院議員のトニー・ベン氏らが急きょ行動を呼びかけ、これをラジオ、テレビで知った市民が、夕方、寒風の吹くトラファルガー広場に集まりました。

 「国際社会の合意がないまま米英がイラクを軍事攻撃しようとしている。無実の市民や子どもを一方的な行動で殺傷してよいのか」。ベン氏の発言をきっかけにろうそくの灯をかかげた討論の輪が広がりました。

 郊外のヒースローから来た主婦のリズさんとパットさんは、「これまで子育てで忙しく平和運動には無縁でした。でも理由のない戦争が差し迫っているのを感じます。やめさせるために何かしなければと思ってきました」と語りました。

 このほかロンドンでは、各地域の反戦組織がそれぞれ行動。北西部ノースウッドの陸軍基地前では約二百人が英軍の参戦阻止を訴えました。

メキシコ

米国は国際法を守れ

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18日、メキシコ市・独立記念塔前で「イラク国民の大量殺害を中止せよ」と横断幕を広げる集会参加者(菅原啓撮影)

 【メキシコ市18日菅原啓】「ブッシュをとめろ」「メキシコは平和を求める」―メキシコ市内で十八日開かれた対イラク戦争反対の集会に、戦争反対の思いをつづった手作りのプラカードや横断幕をもった市民数百人が集まりました。

 「みんなが平和を求めている。戦争を回避しよう。国際法を守り、イラク問題を外交的に解決するために」とのスローガンが掲げられた今回の集会は、左派系政党や労働組合、人権擁護団体など二十組織が共同でよびかけたもの。

 会場となった独立記念塔前では集まった市民を前に各団体の代表が次々マイクを握り、国際世論を無視して戦争につきすすむ米ブッシュ政権をきびしく糾弾しました。

 メキシコのフォックス政権は、自動的武力行使を排除した国連安保理決議に賛成しました。しかし親米的な姿勢は歴代政権の中でも際立っており、米国がイラク戦争を開始すれば協力するのではないかという懸念が国民の間で高まっています。

 市民団体「民主主義のための市民たち」の代表は集会の中で、「フォックス政権は対外不干渉や紛争の平和的解決などメキシコ外交の伝統的原則が時代遅れだというが、われわれ国民はいかなる形でもこれらの原則の放棄を認めない。メキシコは平和を望んでいる」と発言し、大きな拍手に包まれました。

 「道徳に反した無法な戦争を進めるブッシュをとめよう」と大書された横断幕を持っていた会社役員のフアン・フェルナンデスさん(58)は「ブッシュ大統領は世界の反対世論を受け止めて、戦争をやめてほしい」と語りました。

エジプト

アラブ人は怒っている

 【カイロ18日小泉大介】エジプトのカイロ市内で行われたイラク戦争反対集会には約千人が参加しました。

 「米国が北朝鮮問題を外交で解決しようというのはいいことだ。なぜイラクに対してはなにがなんでも武力行使なのか。すべてのアラブ人が怒っている。米国はイラク攻撃を中東支配の突破口にしたいだけだ。米国が世界の戦争反対の声を恐れているいま、さらに運動を広げてなんとしても戦争を阻止したい」―集会参加者がスローガンを叫ぶのを見守りながら国会議員のエルマグラビさんは強く語りました。

 参加者は口々に「イラクを戦争の危機から救おう」「いまこそアラブは団結を」「エジプト政府は米国の軍事攻撃に手を貸すな」とシュプレヒコールをあげ、周囲のアパートの窓からも盛んな声援が飛びました。

 洋品店で働く女性は「イラク戦争反対の集会に参加することはイスラム教徒として、エジプト人としての義務です」と語り、俳優のハムザさんは、「今回は治安部隊の警戒で多くの俳優仲間が参加できなかったが、戦争反対の輪は今後どんどん広がっていくし、そうさせなければならない」と力を込めました。

 大学院生のエルサーウィさん(25)は戦争回避に向けた決意をのべました。

 「罪もないイラクの子どもたちを殺す戦争は絶対許せません。米国でも欧州でも、アジアでも、アラブでも戦争反対の運動が急速に広がっています。世界中が戦争反対の一つの声で立ち上がれば絶対にイラク戦争を阻止できると思います」


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