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2018年1月31日(水)

きょうの潮流

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 得体の知れない不気味さに背筋が凍りました。2夜連続で放送されたNHKの未解決事件シリーズ。テーマは「赤報隊事件」。31年前の憲法記念日に朝日新聞阪神支局が襲撃され、記者2人が死傷した戦後、類を見ない言論への連続テロ事件です▼「赤報隊」を名乗る犯人は、その後も全国の「朝日」関連施設を襲撃。事件のつど、送られた犯行声明文には「反日」の文字が躍ります。「反日分子には極刑あるのみ」「反日朝日は五十年前にかえれ」▼事件の50年前は日中戦争開始の年。言論統制が進む中、「朝日」を含む報道機関は戦争に協力・加担しました。その反省から出発した戦後民主主義を「赤報隊」は全面否定。象徴として当時、首相の靖国神社公式参拝を批判していた「朝日」を“処刑”の標的にしたのです▼矛先は公式参拝を見送った中曽根康弘元首相にも。中曽根氏は当時、事件について「言論の自由、憲法の保障する基本的な権利に対する挑戦」と答弁。全国紙も揃(そろ)って言論へのテロに抗議しました▼31年前は時代錯誤だった「反日」の言葉が、いまネット上に溢(あふ)れています。自民党のある参院議員はツイッターで、名護市長選は「沖縄を反日グループから取り戻す大事な選挙」と。作家の百田尚樹氏に至っては「朝日の読者も日本の敵」。「朝日」を敵視し、憲法を足蹴にする現政権の姿勢がこの風潮を助長していないか▼ペンは剣よりも強し。メディアには、せめて言論封殺やヘイト(憎悪)に同調しない毅然(きぜん)とした対応を求めたい。


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