2018年1月27日(土)
新基地で飛行・騒音 名護市全域に拡大
海にも陸にも造らせない
28日告示の沖縄県名護市長選(2月4日投票)で最大争点となる米軍辺野古新基地が建設されたらどうなるか。安倍晋三首相は「(米軍機は)海上を飛行するから安全」だと言います。しかし、実際は米軍機の飛行激増による騒音や事故、米兵の移転による犯罪の増加など、名護市民全体に被害を及ぼします。
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オスプレイ100機に
辺野古新基地ができれば、MV22オスプレイなど、米海兵隊普天間基地(宜野湾市)所属の米軍機約60機が移転します。これらは主に伊江島や北部訓練場で訓練するため、名護市上空の飛行は避けられません(地図)。しかも、オスプレイは将来、最大100機にもなります。
名護市にはキャンプ・シュワブをはじめ、すでに四つの米軍基地が存在しています。基地内には多くのヘリ着陸帯が存在し、米軍機が日常的に飛来。今も深刻な騒音を発生させています。
琉球大の渡嘉敷健准教授の調査によれば、昨年1月9日、辺野古の国立沖縄高専でオスプレイ飛行に伴い101・7デシベル、20ヘルツという深刻な騒音・低周波音を記録。また、2014年3月に市内の小中学校で行ったアンケートで、58%の生徒が学校で航空機・ヘリの音が気になり、38%がオスプレイの音が怖い、などと回答しました。渡嘉敷氏は「新基地が整備されたら、これ以上の騒音が発生し、学校での音環境がさらに悪化する」と指摘します。
米兵犯罪の危険も
宜野湾市の資料によれば、普天間基地には3200人の米兵・軍属が所属しています。新基地ができれば名護で米軍関係者の人口が増え、交通事故や犯罪の危険が拡大します。
名護市ではこれまでに米兵・軍属による殺人が3件、死亡交通事故が1件発生。放火や窃盗、住居侵入なども繰り返されています。一昨年、うるま市で発生した元海兵隊員による20歳の女性暴行・殺人事件は大きな衝撃を与えました。この女性は名護市出身でした。
危険な普天間基地は沖縄のどこに移しても危険です。稲嶺ススム市長が訴えるように辺野古の陸にも海にも基地を造らせない、そして普天間基地の閉鎖・撤去、海兵隊の撤退こそ解決の道です。