2018年1月27日(土)
森友と「価格調整努める」
財務局に記録 国会答弁と矛盾
安倍晋三首相夫人の関与が疑われる学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却に関連し、財務省近畿財務局が、2015年12月に「売買金額については、できる限り学校法人との事前調整に努める」とする内部記録を残していたことが26日、分かりました。財務省は国会答弁で森友との事前価格交渉を否定しており、整合性が問われる事態となっています。
この記録は神戸学院大学の上脇博之教授が情報公開で入手したもの。15年12月1日付で、近畿財務局の売却担当者が同局内の法務担当者に問い合わせをした「照会票」です。
財務局は15年5月に森友と10年以内に買い取ることを条件に定期借地契約を締結。その後、森友は16年3月に買い取りを申し入れました。
今回、公開された記録は、森友が買い取りを申し入れた場合の対応を、事前に相談したもの。財務局の売却担当者は、森友が資金繰りの問題から、国が提示する金額で買い取りできない場合も考えられると想定。そのような事態を避けるため、事前に「売買価格を学校法人に提示して買受けの可否を判断させるなどの調整が必要」としています。
また「鑑定評価まで行った後に学校法人が買わないとする結果にならないよう売買金額については、できる限り学校法人との事前調整に努める」と記しています。
価格の事前交渉について麻生太郎財務相は「先方から買い受け希望価格が提示されたり、当方から売却価格を提示したりした意識は全くない」と衆院予算委員会(昨年11月27日)で答弁していました。
上脇教授は「記録からは、財務局が当初から森友側に資金がないことを分かったうえで、購入できる価格にするため便宜を図った疑いが浮上した」と指摘しています。
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