2018年1月21日(日)
圧力容器直下でデブリ確認
福島第1原発2号機の内部調査
東京電力は19日、福島第1原発2号機原子炉格納容器の内部調査を行い、溶け落ちた核燃料(デブリ)とみられる小石状の堆積物を確認したと発表しました。東電が同日夜、記者会見しました。デブリは、昨年7月の3号機内部調査で確認。2号機では初めてです。
デブリとみられる堆積物が見つかったのは、原子炉圧力容器の直下で、格納容器底部から約60センチの高さの「ケーブルトレイ」と呼ばれる構造物の上部。圧力容器内にあった燃料集合体の部品とみられる金具の落下も確認できました。
こうした状況から、東電の木元崇宏・原子力・立地本部長代理は会見で、金具の周辺の堆積物について「燃料デブリと思って間違いない」と述べました。また、「米スリーマイル島原発事故(1979年)の際に小石状のデブリが確認されていた」と類似例を挙げました。
東電によると、カメラ映像によって格納容器底部の広い範囲で、小石状や粘土状に見える堆積物を確認したといいます。
調査は、パイプの先端からカメラなどをつり下げて実施。装置には、線量計と温度計を搭載していますが、ノイズが生じていることから、精査した上で公表する予定です。
国と東電は、2021年内に1〜3号機のいずれかで、デブリの取り出しを開始するとしています。今回の調査結果を踏まえ、取り出しの詳細な工法を決定します。東電は「検討する材料として、かなり大きな情報が得られた。重要な情報だ」としています。
長く伸びるパイプで
2号機では昨年、自走式ロボットによる調査を実施。ロボットは堆積物に阻まれ、目標とした圧力容器直下には達しませんでした。ロボット投入に先立って実施したパイプの先端に取り付けたカメラの調査で、作業用の足場が脱落していることを確認。今回の調査では、より長く伸びるパイプを用いました。
今回、格納容器外側の現場の24人を含め計50人が作業にあたりました。計画線量は3ミリシーベルト。被爆量の最高値は、パイプを挿入した作業員で約1・12ミリシーベルトでした。