2018年1月19日(金)
福井・おおい 関電提案で町幹部研修
青森の原子力施設・観光地 旅費も一部負担
|
大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働をすすめる関西電力が、おおい町に青森県の原子力施設などの見学を提案し、昨年10月に町幹部職員20人の研修旅行を実現していたことが18日、本紙の調べでわかりました。研修では、恐山などの観光地も回っており、関電はバス代を一部負担したうえ社員4人を同行させていました。
研修には、同町の副町長、教育長、課長級の職員が参加。10人ずつ2班に分かれ、第1班が昨年10月11〜13日、第2班が18〜20日に青森県に行きました。同町によると、日本原燃の六ケ所再処理工場(六ケ所村)、使用済み核燃料中間貯蔵施設(むつ市)、恐山、青森市文化観光交流施設「ねぶたの家」、奥入瀬渓流などの観光地を巡りました。費用は1人当たり約12万円で、公費で支出。同町は「原子力理解活動の事業ということで施設見学などの申し込み手続きを関電にしてもらった」としています。関電はバス代について「研修の費用全体が類推され、算出されることにつながる」として、回答を拒否しました。
同社によると、同様の活動は2011年の東京電力福島第1原発事故後も「定期的にしてきた。詳細は答えられない」としています。ある電力会社の元幹部は「相手に『貸し』をつくる目的で、よく接待していた。福島原発事故後もしているとは驚いた」といいます。
研修直前の昨年9月には、同町の中塚寛町長が「大飯原発3、4号機の再稼働について理解する」と再稼働に同意を表明。研修は昨年10月の総選挙の最中で、同町を含む福井2区では、日本共産党の猿橋巧候補(前おおい町議)だけが、再稼働反対を訴えていました。今年3月には、町長選、町議補選も予定されています。 (井上拓大)
言語道断です
|
日本共産党の猿橋巧前町議の話 国政選挙の最中に、関電の誘いで原発再稼働に深くかかわる原子力施設の見学に、町幹部が関電社員と一緒に行くなんて言語道断です。このような時期に関電の社員と研修に参加しては、再稼働推進などに関して何らかの要求があったと思われても仕方がありません。