2018年1月17日(水)
「通知書」マイナンバー記載とりやめ 運動の成果
さらに完全中止を
3団体が会見
昨年12月に総務省がマイナンバーを当面記載しないように通知した「特別徴収税額決定通知書」について、記載の完全な中止とマイナンバー制度の廃止を求める会見が16日、東京都内で行われました。
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会見は共通番号いらないネット、マイナンバー制度反対連絡会、全国保険医団体連合会(保団連)の共催です。
働く人の給与から住民税を徴収するための「通知書」は、市区町村から雇用主に送られます。昨年5月に送る分から、働く人のマイナンバーを通知書に載せるように総務省が自治体にゴリ押ししました。
しかし、漏えいが多発したことから、総務省は先月、「書面により送付する場合には、当面、マイナンバーの記載を行わない」とする「事務連絡」を出しました(2017年12月22日付、本紙既報)。
会見で「いらないネット」の宮崎俊郎さんは「書面による通知をやめさせたことは私たちの運動の成果だ。しかし、総務省の基本的な姿勢は『当面やめる』というもので変わっていない」と強調しました。
また、保団連の住江憲勇会長は「総務省は書面への記載はやめたが、『eLTAX』などの電子媒体でのマイナンバー記載はやめないとしている。今後、これもやめさせるため取り組みを強めていく」とのべました。
マイナンバー違憲訴訟に取り組む瀬川宏貴弁護士は「漏えいが多発した『通知書』の問題は、制度の危険性を示すものと裁判でも取り上げた。国は『漏えいは人為ミスによるもの。制度の欠陥ではない』と主張している。今後も、この矛盾をついていく」とのべました。
会見では「引き続き私たちは通知書へのマイナンバー記載の中止、さらにマイナンバー制度そのものの廃止を求めていく」とする共同声明を発表しました。
日本共産党の田村智子副委員長(参院議員)は昨年4月の参院内閣委員会で記載中止を求めたことにふれながら「危ぐした通りの漏えいが起きた。国の責任を問いたださなければならない」とあいさつしました。