2018年1月10日(水)
2年ぶりの南北対話
韓国側 「関係改善の一歩に」
北朝鮮側 “会談の成功を”
ここ2年、連絡チャンネルすら途絶えていた韓国と北朝鮮が9日、話し合いの席に着きました。会談に向かった韓国の首席代表の趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相は、記者団に対し「平昌五輪、パラリンピックが平和の祭典として行われ、南北関係の改善にも良い第一歩となるようにし、焦らずに落ち着いて臨む」と表明。北朝鮮の団長、李善権(リ・ソングォン)祖国平和統一委員会委員長は会場に到着すると「(会談は)うまくいくだろう」と述べたと韓国メディアは伝えました。
16年1月に北朝鮮が核実験を行うと、当時の韓国・朴槿恵(パク・クネ)政権は、南北の共同経済事業だった開城工業団地の操業を一方的に中止。反発した北朝鮮は、板門店の連絡チャンネルを閉鎖しました。
昨年5月に就任した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、就任演説で、「朝鮮半島の平和のためには何でもする」と述べ、「条件が整えば平壌にも行く」と明言しました。その後も、「対話の門戸は開かれている」と呼び掛け、南北軍事会談や離散家族の再会事業を再開するための赤十字会談なども提案。米国に米韓合同軍事演習の五輪・パラリンピック後への延期を要請しました。
今回の協議は、1日に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が新年の演説で、大陸間弾道ミサイルの実戦配備を宣言しトランプ政権を威嚇する一方、南北関係の関係改善に積極的な姿勢を見せたことから始まりました。
米国も、米韓軍事演習の延期を発表。トランプ米大統領は4日、「文大統領を100%支持する」と表明していました。(栗原千鶴)