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2018年1月7日(日)

きょうの潮流

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 笑う門には福来(きた)る。寄席やお笑い番組で正月から腹を抱えた人も多いでしょう。初笑いには、ことし一年が笑いに満ちた幸多い年であるようにという願いが込められています▼漫才も新年に祝言や舞いを演じて家の繁栄と長寿をことほぐ「千秋万歳(せんずまんざい)」が源といわれます。正月の祝福芸能が今の形になったのは戦前のエンタツ・アチャコの時代から。日常生活や時の話題をとりあげ、会話だけで漫才を成立させました▼先月、お笑いコンビのウーマンラッシュアワーが披露した漫才が反響を呼んでいます。原発や被災地の復興、北朝鮮のミサイルや沖縄の米軍基地。今の日本が抱える問題を笑いにのせたネタは、共感とともにすさまじいバッシングも▼漫才に政治や主義主張をもちこむな、無知、恥さらし…。ネトウヨからの口汚いののしりも続いています。現実に苦しんでいる人たちに背を向け、事実をねじ曲げて攻撃する風潮と無縁ではないでしょう▼ネタを書いた村本大輔さんは、自分が現場で見たり、日々のニュースで疑問に感じたりしたことを発信したかったと。「漫才は社会で『空気』のような存在の人に色を付ける役割がある」。3日に那覇市で開いた単独ライブで語っています▼エンタツ・アチャコの台本書きをはじめ、近代漫才の父といわれた作家の秋田實。その作品の根底には、反骨の伝統と庶民の涙と怒りがありました。権力や風潮に縛られない風刺の精神をこれからも。自由にものが言えて、心から笑える社会にするためにも。


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