2018年1月3日(水)
南北が対話に積極姿勢
韓国、高官会談提案 金氏発言に
文氏「核問題切り離せない」
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長は1日、新年の演説を行い、2月に韓国・平昌で開催される冬季五輪に際し、代表団派遣を示唆するとともに、「北南当局がすぐに会うこともできる」と述べ、南北対話に積極的な姿勢を示しました。韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は2日、歓迎の立場を表明。趙明均(チョミョンギュン)統一相は同日、記者会見し、9日に板門店での高官会談開催を北朝鮮に提案しました。
金委員長は1日の演説で、「(朝鮮半島の)軍事的緊張を緩和し、平和的な環境をつくるため、北南はともに努力しなければならない」と表明。文政権は「米国の敵視政策に追従している」とし、米韓合同軍事演習の中止を求めました。
韓国からの報道によると、文大統領は2日の閣議で、演説を評価する一方、「南北関係改善は、北朝鮮の核問題解決と切り離して進められる問題ではない」と指摘。米国など関係国と緊密に連携していく方針を示しました。趙統一相は、ソウル市内で開いた会見で、米国との関係を問われ、「事前協議をしてきた」と述べました。
韓国各紙は金委員長の演説を1面で大きく報道し、南北関係改善への糸口になると歓迎するとしつつ、韓米の分断を図る目的があると警戒する論調もあります。