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2017年12月29日(金)

若者BOX

10〜20代女性 SNS「死にたい」投稿

苦しんでる私に気づいて

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 「“死にたい”って身近な人には話しにくいから」―。神奈川県座間市で10月に9人の遺体が見つかった事件を受け、NPO団体が10代から20代の女性を対象に、SNS意識調査を行いました。そこには、SNSに「死にたい」と投稿することで助けを求める女性たちの声なき声がありました。

 (仁田桃)


“本音”つぶやいても安全な居場所必要

座間事件受けNPOが調査

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(写真)アンケート結果を発表する「BONDプロジェクト」の橘ジュンさん(中央)=21日、厚生労働省

 調査を実施したのは、生きづらさや困難を抱える10代20代の女性を支援するNPO団体「BONDプロジェクト」です。BONDに相談したことのある女性1000人にメールで呼びかけました。

 座間市の事件は、ツイッターで「死にたい」などと投稿していた若い女性が標的になりました。BOND代表の橘ジュンさんは「相談に来る女の子たちの顔が浮かんだ」と語ります。

 「なぜ、女の子たちはSNSに死にたいとつぶやくと思いますか?」とアンケートで問いかけました。

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 「現実で寂しいから。誰かに存在をわかってほしい」(23歳)、「リアルだと死にたいなんて言うキャラじゃないから」(23歳)、「日常では仮面を被って頑張ってて、周りから見たら普通の子が声にならない声を発しているんだと思う」(19歳)などの回答が返ってきました。

一人はいや

 実際にSNSで「死にたい」とつぶやいたことがある人は68%に上りました。「知らない相手と繋(つな)がってやりとりしたことがありますか?」には61%が「ある」。その時の気持ちは、「危ないのはわかってたんだけど…それでも一人で耐えるほうがつらかった」(22歳)、「共感が得られるだけで、一人じゃないって思えた」(22歳)でした。

 66%の人が、SNSでアカウントを使い分けて悩みや本音をつぶやいていることが明らかになりました。「リアルでは言えない本音を書いています」(26歳)「知り合いには見られたくないけど誰かに私の気持ちを気づいてもらいたくて」(19歳)などがその理由です。

 「座間市の事件を受けて、どう感じましたか?」との問いには「私も10人目になっていたかもしれない」(16歳)、「ネットでの繋がりを全て否定しないでほしい。もがき苦しんでいる人がいることをもっと知ってほしい」(25歳)などが寄せられました。

 「『死にたい』『消えたい』気持ちは、どうしたらなくなると思いますか?」には、「居場所があったら」(17歳)、「本当の気持ちを吐き出せる場所を作ること」(中学生)、「信用できる人を見つけられると、生きやすくなるのかも」(20歳)など、安心できる人間関係を求める声が相次ぎました。

どう繋がる

 橘さんは、アンケートの回答で共通しているのは「寂しい」「誰かに分かってほしい」という思いだと指摘。「“本音”をつぶやいても危険な目に合わない安心、安全な居場所づくりが大切だ」と強調しました。

 統括のタダケンジロウさんは「座間市の事件の容疑者は、女性たちのつぶやきにすぐ返信し信頼を得ていった。ネットに居場所を求める女性たちと我々がどう繋がるか課題だ」と話しました。

 BONDは、ネット上をパトロールする仕組みや、同じような思いを抱く人同士が実際に会って交流できる場所づくりを検討したいとしています。

 BONDプロジェクトはメールなどで相談活動を行っています。メールアドレス=hear@bondproject.jp(随時対応)。


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