2017年12月29日(金)
無期雇用転換逃れ7社
厚労省の自動車10社調査結果 小池氏が追及
厚生労働省は27日、大手自動車メーカー10社について、期間従業員を期限の定めがない契約に転換する「無期転換」に関する調査結果を発表しました。7社が再契約までに6カ月以上の空白期間を設ける「クーリング」と呼ばれる仕組みを使って無期転換できないようにしていることが判明しました。無期転換可能は2社だけで、もう1社は再雇用をしていませんでした。
自動車大手の“無期転換逃れ”は、日本共産党の小池晃書記局長が11月30日の参院予算委員会でトヨタ自動車の実例を取り上げ、実態調査と指導、脱法行為を許さない法改正を求めていました。
無期転換は、有期契約が通算5年を超えた労働者が希望すれば、無期契約に転換できる制度。2013年4月施行の改正労働契約法で定められました。
ただし、6カ月以上の空白期間があれば期間を通算しない「抜け穴」があるため、自動車メーカーなどが悪用して“無期転換逃れ”をはかっています。
今回の調査で7社のうち6社は、改正労働契約法を受けて、それまで1カ月などとしていたクーリング期間を6カ月に変更したと回答。“無期転換逃れ”のため契約を変更したことが分かりました。
同省は、クーリング後の再雇用を約束していないとして、「無期転換を避けるための雇い止めとは判断できない」(労働関係法課)と説明していますが、安定雇用という法改正の趣旨に反する自動車メーカーと厚労省の姿勢が問われます。
厳しい指導・法改正を
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日本共産党の小池晃書記局長の話 自動車大手の大半で脱法行為が確認されたのは極めて重大であり、厳しい指導が必要だ。厚労省は再雇用を約束していないから問題ないというが、トヨタでは、非正規労働者に6カ月後には戻れることを説明していることを私の質問で取り上げた。こういうやり方は「望ましくない」としてきた厚労省の答弁にも反する。これでは企業は非正規のままいつまでも使い続けられる。無期転換ルールの脱法行為を許さないために、クーリング規定を削除するなど法改正にも踏み出すべきだ。