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2017年12月27日(水)

きょうの潮流

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 スウェーデン最大手の日刊紙がウェブ版で紹介しています。「伊藤詩織さんは、すべてを投げ打つ覚悟で日本の#Me(ミー)Too(ツー)の先陣を切っている」▼性暴力やセクハラ被害を受けた女性たちが世界中で声を上げ始めています。SNS上でつながる「#MeToo(私も)」を通して。ハリウッドの大物プロデューサーから性暴力を受けていた米国の俳優らのツイートをきっかけに広がりました▼安倍首相と近しいジャーナリストの山口敬(のり)之(ゆき)氏からレイプされたと訴訟も起こしている詩織さんもその一人。傷口に塩をすり込まれるような思いで記者会見を開き、思い出すのもつらい体験を本にしたのは、今この瞬間にも苦しんでいる人たちがいるから―▼性暴力は誰にも経験してほしくない恐怖と痛みを人にもたらす、レイプは魂の殺人だと、詩織さんはいいます。打ち明けられず、ひとりで苦痛や悩みを抱え込む。悪いのは自分と、みずからを傷つけてしまう被害者も▼これまで性暴力に遭った人の多くは社会に現れることもなく、支援の対象にもならず、取り残されてきた。この問題に詳しい精神科医の小西聖(たか)子(こ)さんが著書で語っています。状況は変わってきたが、日本では支える人も制度も未熟だと▼政治や社会の中での女性の地位や立場の不平等も無関係ではありません。性被害の実態を反映していない刑法の壁もあります。響き始めた勇気ある告発。「私を返せ」と、今も心の中で泣き叫んでいる被害者を助けるためにも、私たちは黙らない。


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